宿毛湾の養殖鰤は「土佐だるまぶり」といって大型であぶらの乗りが良いことで知られる。天然ものと値は変わらず、他の養殖ものよりも2割ほど高い。味は信じられないほど淡白、甘味が少なく、わたし好みである。もっとも、だるまと云えばメバチマグロの幼魚のこと、ネーミングはどうかと思う。聞いてはいたものの食したのははじめて。
高知はカツオの叩き、サバの姿寿司、タチウオのかいさま(さかしま)寿司、ウツボの叩きや煮こごり、腹におからを詰めたタイのたま蒸しが有名。ヒラメの放流でも知られている。山本六三が彩色銅版画を教わったのは山下清澄と横田稔。その横田さんは高知に住んでいらっしゃる。高知で歓待されたことを記しておきたい。
馬刺しはカナダ産たてがみ、赤身、ヒレ、ロース、レバーの五種盛り合わせ。半額で税込み520円、高くなったものである。久しぶりの散財、稲葉真弓さんとのひそやかな酒宴である。