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2014年12月 アーカイブ


2014年12月27日

神大病院への道  | 一考   

 神大病院での治療日、帰りは2号線を用いることが多い。海沿いの道が好きなのと帰りに白身の握り鮨を買うのが楽しみなのである。行きは時間を短縮したいので、21号線を走る。
 つい先頃、65号線があるのを思い出した。玉津橋から玉津橋小学校を経て16号線へ抜ける。伊川谷駅を右折して65号線へ、あとは総合運動公園を経て雲雀ヶ丘の山麓バイパス入り口まで一直線である。で、有料の山麓バイパスを避けて夢野2丁目へ抜ける。この夢野2丁目とひよどり台の間は、品川鈴子さん宅へ日参するのに何度も走っている。65号線は途中で22号線を右折して板宿へ、もしくは長田へ抜けられる。僅かだが、21号線より早く神大病院へ着きそうである。

 海沿いで思い出したが、昔、武内ヒロクニさんから坂道の途中にある喫茶店を紹介されたことがある。まるでスタジオジブリの映画「コクリコ坂から」に出てくるような喫茶店で、坂の向こうには海が拡がっている。場所は港町か岬町だったと思うのだが、定かでない。武内さんが一言「いいだろう」、彼ならではのステキな光景だった。


アンクルウエイト  | 一考   

 yfさんが書かれている足の重しとやらを病院で確認してきた。500グラム、1キロ。1.5キロ、2キロ、さらに重いウェイトといろいろあるようで、2キロ以上のものは学生やスポーツ選手用とか。
 500グラムと1キロを装着してみたが、ズシッとくる。もっかのところ、震えの軽減と関節可動域の拡大が目的の初期ストレッチを試みている、と理学療法士。従って、アンクルウエイトはまだまだ先のはなしだそうな。
 病院は28日から4日までお休み、今日が最後の治療になる。理学療法士には女性も多いが、なかに栃木、埼玉、徳島、神戸と渡り歩いた御仁がいらして三郷にも詳しい。飲み屋に興味があるらしく西明石のノットホールを紹介する。いずれ、飲みに行くことになるだろう。

 自転車に乗ると屡々書いているが、自転車をカート代わりに用いているのであって、颯爽と跨がり漕いでいるわけではない。下りならともかく、ごく僅かな坂であっても登られない。スーパーへは頻繁に出掛けているが、カートがなければスーパーの中の移動もままならない。たまにカートに頼らず、店内へ飛び込むこともある。埼玉時代のように失神はしないが、座り込んで動かれなくなるのは必至。家人から一年掛けて1キロほど歩かれるようにしないと、と云われている。


2014年12月20日

yfさんへ  | 一考   

 ありがとうございます。「重さのある道具」はまだですが、付けずに脚の上下運動をしています。それと卓子に手をついての爪先立ちです。免疫抑制剤の影響で手脚の震えがひどいのですが、いずれは直るでしょうと云われています。


身体の能力  | yf   

 身体の能力は、使わなければ、弱って行きます。「重さのある道具」を足に巻いて朝軽く膝を2〜5センチを上げて膝を強化する運動があります。小生はこれを使って朝、腕の上下運動を始めました。10度でダウンが20度にまでになり、今度は前に出す運動をしています、少しづつです。お試しあれ。ご病気に無理がかからないように祈っています。


リハビリテーション2  | 一考   

 寒いときのリハビリは困る、身体が悴んで折角のリハビリが意味を失う。一昨日も今日もリハビリだが、取敢えず病名が決まった。運動器不安定症と云うらしく、主たる目標はADL自立度向上、移動能力向上(歩行、階段昇降)、疼痛の軽減となっている。
 医師によると「要介護2」に相当するらしいが、排泄、食事、入浴、薬の服用、電話、洗濯、掃除などが自分でできる要介護者はいないだろう。「要支援」ならいざ知らず、「要介護」はあたるまい。いずれにせよ、要介護認定(第27条)の曖昧さを知る。
 先日、数年ぶりに腕立て伏せに挑戦した。3度試みたのだが、激しい動悸と吐き気に襲われて止めた。吐き気の理由を医師に訊ねたところ、血圧同様、心肺能力の低下が理由だが、よりによって腕立て伏せを試みるなど常軌を逸している、と叱責を受けた。
 かつては腹筋、背筋、腕立て伏せ、懸垂が50回ずつ出来たのだが、との弁に「それは昔」と一言のもとにはねつけられた。年寄りはみなさん時間が静止する、まるで青春の渦中であるかのごとく。気張る(関西弁でいきむ、りきむの意)ような体操は止めるべし、「軽度のストレッチ運動」の軽度とは気張らないこと。普通に呼吸をしながらの運動に徹してくださいと云われた。


2014年12月16日

報道番組  | 一考   

 前項で「高倉健、全共闘、澁澤龍彦を並べると、共に思想のなさに於いて見事に統一されている」と書いた。思想のないのが必ずしも徒爾とは限らないが、このようなことはですぺら掲示板でしか書かれない。SNSだと雑言として物議を醸す。流れに棹差すのがSNSの常であって、わたしのように逆らっていると顰蹙を買うばかりである。SNSは北アフリカで見られたごとく、独立や革命に対する民意のうねりをなすと同時に、一方で衆を頼んだ横暴や苛斂を生む、謂わば諸刃の剣である。

 報道ステーションの前身ニュースステーションのメインキャスターは久米宏だった。ニュースステーションはテレビ朝日とオフィス・トゥー・ワンによる共同制作だったが、報道番組の制作が外部に委託された端緒でなかったか。これも異例だが、久米の個人的意見を番組に挟み込むことで従来の番組との差別化を図った。
 久米の文言や番組の基本姿勢は、久米がマスコミ人として持っている反権力、反体制、反戦争と云った信条を色濃く反映したものだった。このような趣旨はNEWS23(ツースリー)の筑紫哲也と同じものだが、一部自民党や保守派などから偏向しているとの根強い批判や反発を招いた。
 報道ステーションもニュースステーション同様、制作は外部委託で、古館プロジェクトがその任に当たっている。今回の朝日新聞の誤報(捏造)問題に対する古館の発言と、1996年3月25日の多事争論に於ける筑紫哲也のTBSビデオ問題に対する発言を重ね合わせるとふたりの性格、信条の違いが読み取れて興味深い。

 朝日新聞の「信頼回復と再生のための委員会」社外委員4氏のうちのひとり国広正は「朝日新聞には「事実(ファクト)に対する謙虚さ」が欠けています。自らの主張にこだわるあまり、ファクトに対する詰めが甘いのです」と発言しているが、ファクトを蔑ろにする新聞など存在してはならないとわたしは思っている。
 新聞社はファクトを伝え、読者はその是非を判断する。新聞社が主張を持つなど賢しら口を一歩も出るものであるまい。それでなくとも、朝日新聞は先の大戦に於いて戦争を煽りつづけた。戦争礼讃から反対へと立ち位置がいかに変わろうとも、その根幹にはオピニオンリーダーとしての矜恃と逞しい商魂がある。
 前記4氏のうちの古市憲寿は、「「再生」ということは、朝日新聞は一度「死んだ」という理解でいいのでしょうか」と著しているが、これは筑紫哲也の趣旨を擬えている。新聞社と放送局ではまるで違うが、古舘伊知郎はおそらく筑紫哲也より、朝日新聞より、さらに左翼に位置する信条の持ち主であろう。
 いずれにせよ、朝日新聞が惹き起こした問題が引き金になって戦後民主主義を標榜する人々、いわゆる進歩的文化人たちは肩身が狭くなったに違いない。谷沢永一に「悪魔の思想―「進歩的文化人」という名の国賊12人」との著書がある。同書は後年「反日的日本人の思想―国民を誤導した12人への告発状」「自虐史観もうやめたい!―反日的日本人への告発状」と改題、上梓されている。いずれにせよ、今では「反日左翼、自虐史観」との非難が渦巻いている。

 「反日左翼、自虐史観」が右巻きか左巻きか知らないが、鳴門の渦潮はコリオリの力に関係なく、潮流に沿って右側には右巻き、左側には左巻きの渦が巻くそうな。ちなみに、ポーの「メールストロムの渦」は右巻きである。
 ひとの信条に右左があるように、ファクトにもきっと左右があるに違いない。どうでも良いこととどうでも良くないことが、左右との概念それ自体が入れ子構造になっているのかもしれない。自らの立ち位置や信条と云ったものは無視するに如くはない。右から左へ左から右へ、小から大へ大から小へ、思惟するとは迷うことであり、立ち徘徊ることであり、相互嵌入の世界に踏み入ることである。一瞬でも立ち止まれば、それは精神の腐敗を死を意味するのかもしれない。

追記
 すてきなサイトである、ぜひお読みあれ。とりわけ渦と螺旋の深淵は面白い。

 http://www5a.biglobe.ne.jp/~outfocus/reft-right.htm


2014年12月15日

総選挙  |  一考

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Photo by Yuliya Libkina(CC BY 2.0)

 引っ越してはじめての選挙、自転車に乗ってたまつ幼稚園体育館へ行ってきた。総選挙ゆえ、ポリタスに書き込みが増えている。その内、フェイスブックのY・Hさんがシェアしている森達也さんの「【総選挙2014】もう投票しなくていい」は素晴らしい記事である。

 http://politas.jp/articles/307

 選挙へ行かないひとは政治、哲学、歴史、藝術についてなにひとつ語る資格はない。森達也さんも触れられているが、「言論の自由度ランキング」で日本は59位、そのようなことすら肯定して羞じない国民に藝術など関係あるまい。反復すが、投票に行かないとは現状肯定の明確な意思表示なのだから。
 それはそうなのだが、今回の選挙ほど面白くない選挙はなかった。しかし一方で、今回の選挙ほど大事な選挙もなかったと思う。「秘密保護法」や「集団的自衛権行使」などに擁られた自民党すなわち国民は愈々言論統制や憲法改正へと歩を進めるに違いない。

追記
 鈴木邦男、斎藤貴男との共著「言論統制列島 - 誰もいわなかった右翼と左翼」で森達也は「僕は、思想・信条から自由でありたいというか、むしろ特定の思想・信条やイズム(主義)にどうしても埋没できない。だからね、左でも右でも、まあ、どっちでもいい」「マルクスなんか読んだこともない」と発言している。

 現今の政府の要請は強力である。選挙期間中、テレビジョンはノーベル賞受賞一色、選挙運動の放送は見事に自粛された。別のところで書いたが、くだらなさで双璧とも云うべきみのもんたと宮根誠司。その宮根が小泉進次郎のインタビューで最后まで「うん」「うん」と詰まらなさそうに繰り返す、年長者に変わると途端に「はい」、権威を誇示する典型的なおバカタレント。


2014年12月12日

問題多発  | 一考   

 リハビリだが、股関節に異常は見られなかった。骨密度はおそろしく低いが、これは致し方ない。而して、問題多発である。平常の血圧は140-80ぐらいだが、足を10回ほど動かすと高い方の血圧は170、さらに10回動かすと190を超える。要するに、運動量に応じて、血圧は際限なく跳ね上がる。
 医学的な意味に於いて持久力は乏しいが、筋力はある。ただし、筋力を使えば動悸、息切れ、頭痛(偏頭痛だが)、肩こりが激しくなる。中性脂肪値、コレステロール値は低く、水分は十二分に摂取、また塩分は極力摂っていない。烟草は止めたし、酒はほとんど飲んでいない。よって、この場合の高血圧は一時的なもので身体に影響ない。
 影響ないとは申せ、血圧が200を超えれば一切の運動は中止しなければならない。これでは歩かれない、と云うより「歩いちゃ駄目ですよ」と云われてしまった。ウォーキングは諦めて、「体をほぐすような軽度のストレッチ運動からはじめましょう」。週3回で「3箇月ほど掛けて少しでも歩かれるようにしましょう」との結果を得た。「少しでも」の内訳は500メートルとやら、情けないはなしである。
 降圧剤に関しては神大病院の医師と再度話し合って欲しいとのこと。しかし、現在でも相当量服用している。これ以上増やすことは望まない。

追記
 引っ越してこちらで飲み屋をしようと思っていたのだが、10分ほど立っていると足腰が痛くなる、それも尋常の痛さでない。こちらも筋力でなく、血圧が理由だった。手の施しようもなく、唯々困惑するばかり。


リハビリテーション  | 一考   

 引っ越してから一度だけ倒れた。自転車で西明石のノットホールから帰るなり階段の下で倒れた。とんでもない吐き気で、階段を上って家へ這入ることすらできない。駐車場の隅でゲーゲーやっていたが、その内、あまりもの激痛に襲われ気を失った。過去、わたしが昏倒したときに傍にいらしたのは周さんと川津さん。川津さんによると口から泡を吹いて小一時間は気を失っているそうな。
 意識が戻って車に乗り、座席に座り込んでから、家人に扶けを請うた。1時間はのたうち回り、それから失神したので、階段の下で倒れてから家人に電話するまでに2時間は経っていたように思う。

 体調を整える目的で拙宅の横の河原を散策、とりあえず200メートルほどを歩く。股関節が痛くなりこれ以上進むと帰られなくなると振り返る。家は目の前に見えている、5分もあれば辿り着くはずだった。20分ほど休憩し、歩こうと思ったが歩かれない、躄ると云うよりも匍匐のような為体で200メートルを移動、辿り着くに1時間を費やした。この辺りで諦め、リハビリを受けることにする。

 神大病院の担当医にリハビリテーションについて相談する。わたしは以前のように歩きたい、要するに筋力を取り戻したいだけである。よって、スポーツジムのようなところで良いのではないかと思った、エアロバイク、ルームランナー、レッグプレスやレッグエクステンションの類いである。ところが医師から整形外科医の指導が必要と注意された。
 整形外科医で親しいのは田中整形外科しかいない。20年ほど前、交通事故や骨折で何度も面倒を見ていただいている。今は二代目だが、田中医師によるとレントゲンやDXA検査が必要らしい。彼が心配しているのは、ステロイド剤が齎す股関節の異常である。同じことは神大でも云われた。検査日は本日金曜日、問題がなければ、即日リハビリテーションに這入る。結果次第で、週当たりの治療回数を決める。


2014年12月09日

 | 一考   

 随分と冷え込んだが、今年の神戸の雪はどうなのかしらん。埼玉における今年の2月、3月の大雪には困惑させられた。ただし、埼玉県内の外環道は自動車専用部(高規格幹線道路)と一般部(国道298号)が併設する構造となってい、三郷から戸田のあいだは外環の真下を298号が走っている。従って、いくら降ろうとも走行に支障はない。距離は三郷、戸田間と西区と兵庫区の神大病院との間はほぼ等しい。しかし、こちらは吹き曝しの道である。
 調べると2005年、2013年、2014年は積雪の記録がある。三郷のケースでは4、5日は走られなかった、それを想い起こすと気が気でない。通院日に降らないことを切に祈る。

 12月1日、冥草舎の西岡武良さんが逝いた。養護施設に這入られていたが、そこで亡くなられたようである。当掲示板で「男根扼殺者」を書いている。「冥草舎の西岡さんが書いて人口に膾炙するようになった「君、禁欲とは限りなく淫蕩になることだよ」との塚本さんの言葉がある。この文言に対する出自や詳細には一切触れない。私は扇動家であっても舌禍の一群ではないからである。問われるのは個性であって情報ではない・・・・・・塚本や足穂のような似非ホモは多い。ただ、似非であろうがなかろうが、そのようなこともどうでもよい。本質となんらの脈絡も有しないからである・・・・・・サドの女陰の封印同様、男根を扼殺しなければ淫蕩にはなられない。淫蕩とは妄想の謂いである。これは種村さんの「躄にならなければダメだよ」と消息を一にする。表現者とは人生の故買屋である。そして窩主で売買されるもの、それが妄想でなければなんなのか。」
 同時に、山中貞子(旧姓)さんが二豎に罹ったことを知った。透析治療のやむなきに至ったようである。共に西岡武良さんの嫡妻戸田ヒロコさんからの便りである。70歳を出ての透析治療は余命を宣告されるに等しい。最大5年、これはわたしが松戸のクリニックで云われたことである。それにしても末期腎不全とは。


2014年12月08日

ヘルシーアイ  | 一考   

 前項で近隣のイオンが今年一杯で閉鎖されると書いたが、インスタント食品は予てよりイオンに頼っていた。大塚食品の「マイサイズ」やトップバリューの「ヘルシーアイ」である。腎障害や糖尿病を患っている方は大方が世話になっているはずである。
 量すなわちカロリーを減らした食品であり、大塚食品の「マイサイズ」はすべて100kcal、100グラムから150グラムを中心に構成されている。ちなみに、「マンナンごはん」は1パック130グラムで150kcal、それにカレーを加えて250kcalになる。
 「ヘルシーアイ」は「マイサイズ」からさらにカロリーと塩分を減らした食品で、80kcalを1単位として、1日の摂取カロリーを抑えている。「中華丼(150グラム)」や「すきやき丼(115グラム)」はお気に入りで屡屡食している。発症当時、一日の摂取カロリーを700までに抑えるよう指導されたが、手の施しようがなく「ヘルシーアイ」に頼ったのを覚えている。食品もさることながら菓子の類いは貴重である。
 今では80、100,120kcalと指示されれば、その通りの献立を組み立てるが、当時は難儀させられたものである。移植を受けた後は1200kcalまでにとの指導を受けているが、これは基礎代謝を踏まえたものと解している。

 さて、昨今もっとも問題になるであろう食品はラーメンと栄養ドリンクの類である。栄養ドリンクを常用すると死に至るのはネット上で多くの医師によって証明されている。よって、こちらではラーメンについて著す。
 流行りの六厘舎のつけめんは1,182kcalだが、これなどはまだ低カロリーな方である。こってり味と称するラーメンには「1g=9kcal」もある背油が追加される。それだけでも、10gなら90kcalになる。ラーメンの世界では1,400kcalや1,500kcalを超えるメニューが当たり前になっている。昔の支那ソバ(醤油味)は400kcalだったが、際限なく濃厚な味付け、高カロリーになっている。ラーメン一杯が一日の摂取カロリーを超えてしまうとは。

 イオンはマックスバリュ、ダイエー、マルナカなど、夥しい数のスーパーを傘下に持っているが、そのすべてがトップバリューを扱っているわけではない。マルナカは比較的置いている方だが、流石に「ヘルシーアイ」は扱っていない。イオン西神戸店の閉鎖は仕方ないとして、みなさんがイオンショップへ移行するとも思われないのだが。


2014年12月07日

柳葉魚  |  一考

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 釧路市漁協が作り販売している「ミスターししゃも」。云うまでもないが、本物のししゃもである。今年一杯で閉鎖される近所のイオンに置いている。3匹480円、神戸の在にとっていささか値が張るようである。買っているのはわたしぐらいなもので、300円になり、半額になり、やがて棚から消えてゆく。
 はなしは変わるが、引っ越してから牛肉や豚肉をまったく食べなくなった。200グラム買って来たのはよいが、2箇月を経てまだ冷凍庫で眠っている。日々、さまざまな魚一色である。
 くん製風味とあるが、くん液すなわち木酢液を使っている。燻蒸したわけでないので、正確に風味と記載されている。これが肉類の加工品、生ハムからハムやソーセージだとインチキ表示が未だに罷り通っている。
 ししゃもは遡河回遊魚であり、晩秋に産卵のため溯上する。この時期の卵を持った雌を子持ちししゃもと云う。酒肴として珍重されるが、実は雄の方が高価かつ美味である。また雄雌共に大きい(太い)ほど味がよいとされるが、それには疑問がある。と云うのは、赤坂のスーパー吉池で小振りの雄を目刺しにしたものが売られていたが、過去食したししゃものなかで最も旨かった。
 雄の臀鰭は、10月頃からの性成熟に伴い二次性徴として伸張する。この現象は、カワヒメマス の背鰭およびオイカワと同様に抱擁器官として使われ、受精率を高めるために重要な役割を果たす。写真に映っている臀鰭も伸張が顕著である。鮭同様、全体が変色し、赤みが濃く(婚姻色)なり、オスの体には所々、墨のようなまっ黒な模様が入るようになる。また頭全体がこの時期特有の嶮しい形相になり、上方へ尖がっている。

追記
 書くまでもないが、ししゃもは世界中で北海道南部の太平洋側だけに生息する日本固有の貴重な魚。全国の小売店で販られている「子持ちシシャモ」は「カペリン」または「カラフトししゃも」と云うししゃもの代用魚。代用品とは申せ、属はまったく異なる魚であり、遡河回遊魚ですらない。風味や食感は本物のししゃものそれと比してまるで異とする。

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