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2011年04月 アーカイブ


2011年04月29日

申し開き  | 一考   

 何度か書いているが、透析を朝の部に移してから、まだリズムが掴めないでいる。透析のない日は大丈夫だが、透析のある火、木、金が起きられないで遅刻している。起床が朝の七時半、寝てしまうと起きられないので、伏せったまま起きている。透析が終わって帰ってくるのが二時から三時、それからすぐに寝れば三、四時間は眠られる筈なのだが、そう旨くはゆかない。結局、透析のない日に二日分眠ることになる。透析優先なので、皺寄せはですぺらの営業時間へ跳ね返る。以上、遅刻の言訳である。

 長谷川さんから来店予告のメールを頂戴しているのを知った。今頃気付いても遅いのだが、申し訳ない。営業開始は八時十五分だが、前述したように、火、木、金は十分か十五分ほど遅れる時がある。相済まぬことで恐縮している。


リベラル  | 一考   

 田中秀征さんの政権ウォッチを面白く読む。文中「世論も既に潮目が変わり、「大震災だから首相を代えない」から「大震災だからこそ首相を代える」に大きく転じつつある」とある。
 田中康夫さんは人工股関節の手術をして入院中だったが、退院を早めて3月19日には南相馬市で炊き出しをしていた。松葉杖をついてのボランティア参加である。
 田中秀征さんは新党さきがけの理論的指導者、石橋湛山の研究家としても知られる。田中康夫さんは元知事。選挙区は長野県、共に落選。民意を反映した弁証とは、屡々妙な結果をもたらす。
 お二方に関して、矢川さんと話し合ったのを想い起こす。


2011年04月25日

小沢一郎  | 一考   

 原発由来の放射線が大した問題でないと云うことと、原発は経済にとって必要であると云うのは論理的整合性に欠けている。事実認識はひとによって異なる筈がないのだが、現実には異なる。論拠を持たずに好悪で判断する恰好の例かと思われる。そして、そのような暴論を吐くのは東京在のひとに限られる。
 地方在の原発の恩恵を被るのは都会である。だとすれば原発は都会にこそ相応しい。東京周辺に原発を拵えるのは論理の必然的帰着である。
 前述の発言の底に滅びの思想があればともかく、滅びを抱きつつの経済論はなかろうと思う。暴論とする理由である。あらゆる種類の経済学は如何わしい。情念の入り込む余地がもっとも少ないのが経済学でないだろうか。

 政治家がいないと多くのひとは云う、しかしわたしに云わせれば小沢一郎がいる。彼は自民党を割った93年以来、政局のひととなった。五十五年体制の瓦解が彼の目差すところであれば致し方のないことである。政局を宿命として彼は生きた、生きつづけなければならない。
 爾来、09年の第45回衆議院議員総選挙での政権交代に至るまで小沢の目覚ましい活躍はつづく。小選挙区制の導入をはじめ、二大政党制に持って行きたいという明確なビジョン等、小沢の姿勢は首尾一貫している。この二十年ほどの政治は彼と小泉を抜きにして考えられない。良きにつけ悪しきにつけ民主党の首相候補のなかで人間的魅力があるのは小沢一郎だけ、と云ったのは西部邁だが、言葉の正確な意味においてわたしは深く同意する。
 政権交代によって小沢の為事は政局から「日本改造計画」の履行へ変わったかに思えた。ところが、今回の統一地方選は大敗に終わった。菅のお陰で襤褸襤褸になった地方組織を建て直さなければならない。だとすれば、小沢にはもう一度政局の場へ戻っていただくしかない。そうでなければ折角の二大政党制は生きてこない。民主党を一から再構築するか、もしくは政界再編である。思うに、小沢はよくよく恵まれない政治家である。まるで政局が彼の唯一の為事であるかのごとく。しかし、五十五年体制を徹底的に崩壊させるには小沢が必要である。彼にしてはじめて可能な荒事である。
 自分に自信のないひと、個としての自覚がないひとほど、世論を重視する。世論は風俗に過ぎぬ。作為的な世論形成に背を向けて、小沢はひとりわが道を行く。小沢の行動力と実績、そのバイタリティーにまだまだわたしは期待を抱いている。

追記
 「小沢一郎の三人の秘書、石川知裕衆議院議員、大久保隆規、池田光智に対する裁判がはじまった・・・吉田正喜元特捜副部長をはじめ、田代政弘、前田恒彦と札付きの検事が取り調べを担当。冤罪だった村木厚子元厚労局長への取り調べと構図を一にする。
 そもそも小沢一郎の事件(事件かどうかは分からないが)は検察のリークとそれを鵜呑にしたマスメディアが主をなす。担当検事の一名は左遷、一名は退職、一名は獄中にある。」
 2011年02月11日に上記「札付き」を書いた。93年以来、一貫してわたしは小沢一郎さんのファンである。


下血  | 一考   

 血尿のつぎは血便である。血尿の理由は腎結石、血便の理由は憩室と分かっているが、血便には少々困惑している。一年半前に憩室からの大量下血で死にかけているからである。実は一昨日の朝、僅かだが下血があった。嫌な記憶が頭を過ぎる。
 直前の血液検査ではCRPは増えていないし、ヘマトクリット、ヘモグロビンは共に正常である。特にヘモグロビンは12.1から12.2と平均値よりも高い。ただし、この前の内視鏡検査では憩室は大腸全面に拡がっている。今はヘパリンという抗凝固剤を一日置きに処方している、それが理由で出血すると止まらない。従って、下血がはじまれば二、三日でヘモグロビン値は7を切るところまで急落する。そうなれば、またブラックアウトもしくは失血死が待ち受けている。暫くのあいだ、大便との睨めっこが続く。
 主治医から、定期的に輸血が必要になることもある、との注意は受けている。考えるまでもないことだが、綱渡りのような人生である。

追記
 その後、下血はなさそうである。このまま無事に済めば良いのだが。


2011年04月23日

原発推進  | 一考   

 2011年03月31日の「疑惑」で触れたが、経産省の方から聞いていた情報の一部が週刊ポスト2011年4月29日号で暴かれた。

 http://www.news-postseven.com/archives/20110418_17850.html

 題して「「揚水発電」をカウントすれば原発なしでも夏の電力間に合う」。
 政府の新成長戦略では原発輸出を柱に位置付けていたのは周知。菅首相はどうあっても原発を推進したいようである。従って原発の被害は極力小さく、電力不足は過大に喧伝しなければならない。やはり、計画停電は原発推進のための詐欺でしかなかった。
 前福島県知事の佐藤栄佐久は原発推進派にとって天敵的存在だったが、原発は「危ないから注意しろと言うと、国家にとっての危険人物になってしまう」との記者会見での言葉通り、ゼネコン絡みの収賄疑惑から辞職に追い込まれた。一審、二審は共に有罪。官権とマスコミの罠に嵌められた小沢一郎と相似形をなす。


2011年04月22日

小女子  | 一考   

 血液検査は無事にクリア、栄養士は挨拶だけで、わたしの前を素通りである。看護師は「何時ものことだけど、どうやってリンと血糖値を減らしたの」答えが出てくるような種類の質問でない。「極力摂取しなかっただけです」としか応えようがない。そのことよりも、最近は除水を一リットルで統一するように心掛けている。一リットルとは八百グラムの体重増である。こちらはいささか高踏技術を要する。透析日の早朝、パンをあと一切れもしくはスクランブルエッグを一箇分、そうでなければ紅茶を半杯と、実に細かい計算が必要になる。
 穿刺するひとは毎日替わるが、記録は残されている。松戸のパン屋を教えて下さったベテラン看護師は気付いている。「八百グラムって意識しているんでしょ、遊んでるのよね」。遊びがなきゃあ、透析なんぞやってられませんよ。
 何をどのように食べればリンが減るかは実はわたしにも良く分からない。ただ、透析をはじめてからの八箇月で得た経験則がある。それほどに意識して食事を摂っている。日々、体重計と頸っ引きなのである。かつては酒と首っ引きの人生だった。今は体重計がわたしの生き甲斐とでも称すべきか。
 今日は僅かにカルシウムが減っている。前述の看護師は馴れたもので、「最近、ビタミンD剤を飲んでないでしょ」「次回の血液検査で戻しますから大丈夫」。低カルシウム血症も困るが高カルシウム血症はさらに困る。指の関節に軽い痺れが出ていたので、ちょいとカルシウムを控えたまで。いま話題の茨城の小女子でも食してカルシウムを摂りましょうか。


2011年04月20日

透析と震災  | 一考   

 透析患者緊急カードというものを貰った。封印されていて中身は分からないが、透析時間、透析器種類、薬剤アレルギーの有無などが記載されているようである。事故や災害などの緊急時に他の透析施設のスタッフに透析患者であることを伝達するためのカードである。阪神淡路大震災以降、発行するようになったと聞く。スタッフが神戸へ透析を手伝いに行った折、症状の詳細が分からなくて苦慮したのが理由だとか。
 そう云えば、神戸の震災では二十三日(罹災六日目)に透析患者を六甲アイランド病院から津市の三重大付属病院へヘリコプターで搬送。ただし、ヘリコプターによる搬送はこの一例のみで、その後、多くの死者を出した。その反省から新潟県中越地震では被災地の三病院の患者三百四十人がヘリコプター、救急車、バスで受け入れ先へ搬送され、全員が無事だった。今回は初動が遅く、岩手県大槌町吉里吉里地区のように自衛隊のヘリコプターによって多くの患者が助けられたものの、神戸同様、結構な死者を出したようである。たしか菅首相は元厚生大臣だった筈なのだが。


2011年04月19日

一本の回路  | 一考   

 五度続いた尿検査は尿路結石で落ちが付いた。誰もなにも云わないので、看護師にむりやり問い質した。血尿の理由は腎結石だと最初から云っている、当方の見立てを信じればよいのにと思う。結局、新たな癌は見付からなかったようである。わたしの剣幕が過ぎたようで、医師に悪いことをしたと思っている。
 ところが、尿検査が済んだと思ったら、今度は検便である。よほど興味を抱かせるに足る身体のようである。憩室からの脱血が怖いので、普段から便には注意している。そしてもっかのところ、異常はなにもない。
 今日は定例の心電図とヘパリンが適正かどうかの検査で血を抜くという。検査を引っくるめて週一回以上、血を抜かれている。以前はナーバスになっていたが、最近は造血されているのを知ったので、いくら採血されても平気である。
 透析をはじめて八箇月になるが、最初の予想とは随分と異なる。エリスロポエチンが生育され、尿も1.2リットルほど出ている。看護師に云わせると、腎臓のどこかの回路が一本だけまだ繋がっているのでないかと。未練がましい身体である。


2011年04月15日

ふたたび苺  | 一考   

 血糖値が167に上がったが、ヘモグロビンエーワンシーは5.1と落ち着いている。血液検査の直前の食事内容によって血糖値はどうにでもなる。リンを伴っているので犯人は苺である。それを承知でふたたび苺を買ってきた。前回触れたように、一日二粒だと血糖値に変化は出ない。西瓜やメロンは大きくて自殺者向きだが、苺は小さいので助かる。
 前述したように茨城産の苺で問題児である。制限内なのだろうが、汚染されているに違いない。子供には食べさせられないが、わたしは放射能の症状が出る前にくたばるので関係ない。これからは産地偽証の食品が増えるに違いない。現地のひとには申し訳がないが、農業と漁業はどうあっても諦めていただくしかないのだが。

 店の水が減ってきた。硬水は大丈夫だが、軟水はあと一週間ほどで売り切れる。このような状況なので、無理をして買い集めるのは避けている。なくなれば鉄管ビールになるが、悪しからず。


放射線マップ  |  一考

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福島大は13日、浜通り、中通り地方の372地点で測定した1時間当たりの放射線量を示した地図を発表した。実測データに基づいて詳細な放射線量の分布が示されるのは初めて。(河北新報社)
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/20110414t63010.htm
菅首相が隠蔽、公表しない放射線マップを民間が公開した。


2011年04月14日

期限内独裁  | 一考   

 国会図書館にいらした西来寺さん来店。はなしは当然、震災と原発に終始する。
 神戸では復旧、復興に必要な労働者は大阪や東京から大挙して這入った。今回は地元優先で雇用すべきである。そうでなければ、岩手、宮城、福島三県の海岸部の就労者八十四万人は行き場を失う。北茨城市にある大津漁港では漁に出られない漁師らを市の臨時職員として採用することを決め、双葉郡八町村の各役場では避難者を臨時雇用する制度をスタートさせたという。しかしそのような雇用で何が片付くわけでもない。せめて二、三十万人は傭わなければならない。そのための政令を発布すべきと思う。

 原発の問題ひとつを取ってみても、菅首相の能力を超えている。と云うよりは閣僚や各省庁を使いこなす能力が端から欠落している。官僚を凌駕する能力が菅首相にあればともかく、実態は惨澹たるものである。首相たるものの確たる信念が微塵も感じられないのである。亀井静香が提唱している与野党を幅広く糾合した救国内閣を樹立して、国難を乗り切る以外に手立てはない。ところが、ことここに至っても連立とか副首相格とか、政局絡みもしくは政権延命しか脳裏に浮かばないようである。
 震災対応の協力と連立とは次元の異なる話である。協力するに際して、どうして入閣しなければならないのか。連立は平時に民主的な手続きを経た上で行うべきであり、震災の混乱に乗じての連立など可笑しかろう。菅首相は政権公約(マニフェスト)の抜本的見直しに触れることなく、閣僚増員でもって自民党に連立を呼びかけた。これでは断られるのは当たり前である。相手に責任を転嫁して政権延命を図ろうとしていることが発覚してしまった。
 このような非常時こそ、小沢一郎の出番だろうに。彼なら三日を経ずに大連立を拵える。そして連立のためなら、自民党であろうが共産党であろうが、他党の党首を首班に据えるに違いない。西来寺さんは田中角栄がいればと仰有っていたが、政治のダイナミズムをもう一度味わいたいものである。いずれにせよ、最悪の首相のときに最悪の厄災が降りかかった。
 菅首相の出自は市民運動だが、この市民運動ほどいかがわしいものはない。市民運動としての公共性を主張するためには代表性や公益性についての考察が必須となる。市民運動において、市民の名で行われるものが、常にすべての市民を代表するものとは限らない。市民運動が特定の市民の意見、いわゆるノイジー・マイノリティによって誘導されるのは必定である。菅の市民運動の底辺には特定の政治的利益集団の陰が常に見受けられる。
 民主党と比して自民党の事務能力の高さは評価する。とは云え、現在54基の原発を122基にまで増やそうと政治指導によって構想したのは自民党である。統一地方選前半戦の民主党惨敗は納得がいくが、その票が自民党に流れるのはさらなる問題を生じさせる。

 阪神・淡路大震災時には、復旧、復興の関連法十六本のうち三本が一箇月以内に、八本が約四十日で成立した。今回は未だに一本の関連法すら成立していない。「民主主義とは期限を区切った独裁だ」と明言して憚らない菅首相である。独裁を保持するために「保身」と「隠蔽」が続けられる。菅首相と岡田克也幹事長、亡国の徒とはこのことか。


2011年04月13日

核燃料  | 一考   

 高遠弘美さんがふたつのサイトを紹介なさっている。

 http://hiroakikoide.wordpress.com/
 http://francemedia.over-blog.com/

 文中、某ジャーナリストが原発職員、消防員の方達が三十一人亡くなっているとの報告があって詳細が気になった。
 それと小出裕章さんが触れていない点がひとつ。
 福島原発の一号機から四号機までの原子炉の出力を会わせると約三百万キロワット。そしてチェルノブイリ原子力発電所の出力は恰度百万キロワット。その上に使用済み燃料プールにほぼ匹敵するだけあるとのことですが、燃料プールには使用済み燃料だけでなく、未使用の燃料が同量含まれている。単純計算でもチェルノブイリの九倍以上の核燃料が危機的状況にある。


2011年04月11日

スーパー一考  | 一考   

 金、土曜と久しぶりに忙しかった。昔、唐さんが新宿を焼け野原にすると云っていたが、今回の原発事故で下手をすれば東京は滅んでしまう。滅んだ方が良いと声を大にしていたのはシモンさん。シモンさんと幹郎さんの絶妙の会話は面白かった。
 中井英夫さんが生きていたら小躍りして喜んだに違いない。似而非文化人が原水爆反対を唱えていたとき、ひとり中井さんは原水爆賛成だった。人類を滅ぼすかもしれない折角の玩具を棄てるなど以ての外だ、と。
 このようなことは思っていても書かれない。原発で苦しんでいるひとがいらっしゃるからである。掲示板を長く続けてきたが、考えてみると本音を吐露したことなどあったかしら、と思う。
 例えば、先日福島へ行きたいと云ったところ、どうしてとの応えがあった。放射能で腎臓が突然変異を起こし、完全に治癒する。そこで名を改めてスーパー一考。このようなことも書けば顰蹙を買う。
 掲示板をつづけて、愉快なこともあった。高遠さんとないこと、ないことのオンパレードを書き連ねた。文学がいかに質の悪い冗談であるかを身をもって証明したのである。書きながら笑いが止まらなかったのを覚えている。
 本音とはなにかを問うつもりは毛頭ない。本音とはちょっとした屈折である。ただし、ひとを大いに傷つける屈折である。これからまた、素知らぬ顔をして平常の掲示板に戻る。

追記
 先日「わたしに放射能は無効である」と書いた。放射能で身体に異常が出る前に寿命が尽きる、意味するところはそれだけである。


葡萄葛  | 一考   

 一月十二日に「茜屋軽井沢店の柘榴のジュースとコンコード(神戸の喫茶店)の葡萄ジュースはわたしの好物だった」と書いた。その茜屋珈琲店にもぶどうじゅーすがあるのは分かっていた。共に生ジュースで、季節限定メニューである。先日、幹郎さんが来店、小脇に茜屋珈琲店のぶどうじゅーすを抱えている。嬬恋村の増屋薬舗の干川伸之さんからの贈り物である。詳しくは知らないが、干川さんは脊椎を損傷なさっている。わたしと同じ片輪者である。
 わたしは身障者とか不自由な方といった思わせぶりな云い方が好きでない。掲示板で片輪と書けば物議を醸す、仕方なく前記書き方を踏襲しているが、片輪は片輪で良いと思っている。種村さんに「影法師 唖(おし)で聾(つんぼ)でど盲(めくら)で」との作品があって、わたしの愛唱詩である。
 唖を唖、聾を聾、瞽を瞽、跛を跛、佝僂を佝僂、乞丐を乞丐と云って、なにが悪いのであろうか。片手ひとつ取ってみても、片腕、片落ち、片手打ち、片手桶、片手落ち、片手擲り、片贔屓、隻手、隻腕と差別用語が続く。
 ひとはみな差別意識を持っている。「俺の子は俺に似て頭が良い」など、他人は俺と違って頭が悪いと暗に断言しているようなものでないか、差別の最たるものとはこのような表現を指す。わたしは差別するが差別されるのは好まない。それがアクティヴな生き方を強いているのかもしれない。
 前置きが長くなったが、頂戴したぶどうじゅーすは滅法旨い。品種は信州産のコンコードとナイヤガラ。水増しのジュースまたは濃縮還元と違って、甘味その他の添加物は這入っていない。香味が濃密かつ能動的なのである。色調は黒紫色、ひとくちごとに酸味と渋味の階調が際立つ。階調と書いたが、階調であって諧調ではない。酸味と渋味が口腔で別々の味わいを奏でる。アクティヴと表現したのはその香味の闘いのさまを表す。まるで後熟を経ないモルトウィスキーのようである。調和のなさが絶妙の美味さを生んでいる。干川さんに大感謝である。妄言多謝。


2011年04月08日

サイトあれこれ  | 一考   

 http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/0ae40973f2449556dad937ea3aab9184/

 上記サイトでは、人工透析患者の最後の砦として役割を発揮した仙台社会保険病院が紹介されている。
 計画停電は中止になりそうだが、病院のスタッフのためにも結構なことだと思う。睡眠不足で技師や看護師が倒れたら患者はどうなるのか。ちなみに、市川市は最多の七回、松戸市は六回停電している。
 今夏に起こるとされる制御不能な大規模停電を避けるために「電気使用制限令」が発動されそうである。大口需要者に対して、ピーク時の電力使用量を前年より二十五パーセント減らすのが目的。本当は一般家庭の消費電力(冷房)にこそ使用制限令を出すべきなのだが。
 痒みからくる出血のため、下着は毎日着替えている。その下着はまとめて、風呂に浸かった状態で洗面器で洗っている。空調や便座は当然として、洗濯機の消費電気も浮かしている。自粛ではなく謂わば他粛だが、それで良いと思っている。

 http://gigazine.net/news/20110314_spaceimaging_jp_quake/

 日本スペースイメージングが「東北地方太平洋沖地震」被災前後の衛星写真を公開した。相馬市の磯部地区も写っている。
 日本気象学会の新野宏理事長(東京大学教授)が、大気中に拡散する放射性物質の影響を予測した研究成果の公表を自粛するよう通知していたことが分かった。国民に余計な不安を増幅させないようにとの民主党的配慮からだが、例の文部科学省の「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」の調査結果が槍玉に上げられている。学者にせよ、政治家にせよ、芸能人にせよ、権力を握る人間にはろくでなしが多い。尖閣問題同様、情報と権力とのあいだには根の深い問題がある。

 先日、追記で「わたしの身の回りにも関西へ疎開するひとが増えてきた」と書いた。閉店後、神戸へ帰ろうかと思っていたが、状況が一変した。これからの東京に興味がある。正確には東京でなく、人心にである。また、わたしに放射能は無効である。よって、滅びへの意志力を有するか、もしくは自覚なしか、その辺りを見届けようと思っている。


2011年04月07日

浄水器  | 一考   

 スリーマイル島では燃料棒取り出しまでが六年、廃炉完了まで十四年かかった。今回の放射能物質はチェルノブイリの十倍と聞く。一段落するまでに三十年、廃炉までに百年は掛かりそうである。土壌汚染と海洋汚染によって、福島県の畜産、農業、漁業は元に戻るまい。
 元に戻るどころのはなしでない、完了するまではひとも住めない荒寥の地になるに違いない。暖かくなれば風は南風になる。既に汚染されている福島市をはじめ、仙台市など北方の都市にも汚染は拡がる。福島の人口は二百二万だが、おそらく東部に住む百二十万人ほどは土地を離れざるを得ない。東北の農業は壊滅し、三陸の漁業も衰退する。
 書物に惹かれるとは滅びを友として現世に背を向けることである。それを諒解している方は良い。しかし現世に未練を持ち、子孫を残そうと考えるひと、もしくは十五歳までの子供を持つ方にとっては他人事でない。東京を離れるのが理想だが、それが出来ないひとにとって米国で売られている放射能除去機能を持つ浄水器は必需品となる。

 過日、高遠さんが紹介なさっていた武田邦彦さんのブログをこちらでも紹介しておきたい。

 http://takedanet.com/

追記
 わたしの身の回りにも関西へ疎開するひとが増えてきた。


2011年04月05日

 | 一考   

 東北産の野菜や果物が安売りされている。先に書いたが苺(とちおとめ)が安いのでせっせと食べている。苺はカリウムが高くミネラル分が多いので危険である。危惧した通り、血液検査で引っ掛かってしまった。やはり一日に二粒が限度である。三つ、四つ食べると覿面におかしくなる。果物もそうだが乳製品、例えばチョコレートなども一日一粒にすべきである。せっかく順調だった血液検査が狂ってしまう。
 朝の部へ移ってから、どうも調子が取られない。睡眠を二回に分割したからだろうか、食事の間合いがうまくない。要するに体重がが安定しなくなった。リズムを掴むのにもう少し日数が掛かりそうである。
 看護師と苺のはなしをしていて、果物や野菜で自殺を計った患者に及んだ。その患者は普段から透析を嫌悪していて、ある日、西瓜を多量に食べてカリウムを異常に高くしたらしい。他にも、甘蕉、赤茄子で自殺を試みた患者がいたそうである。死ぬために西瓜を無茶食いするとは夢のないはなしだが、さらに夢のないのが納豆の多量摂取である。目的が死ぬことだから、どうでもよいのだろうが、納豆臭いのは気になる。わたしなら、せめて煎茶か珈琲の飲み過ぎで死にたいものである。
 その看護師の紹介で、松戸の新宿中村屋とアンデルセンへ行く。原料の小麦粉の違いか、アンデルセンの麺麭は軽くサクサクした感じ、昔のピゴの麺麭を想い起こす。新宿中村屋のそれは佛蘭西の小麦粉を使っていて舌触りに癖があり、重量感があって好みに合う。稲見さんの麺麭のような芸の細やかさはないが、まずまずの麺麭であろうか。もっか稲見さんから送られてきた麺麭と新宿中村屋のそれとを交互に食べている。わたしにとっては最高の贅沢である。


2011年04月04日

疎開  | 一考   

 透析医療のネットワーク組織が動き、福島県いわき市周辺から約四百十人の人工透析患者が、東京都内に避難。千葉県の某病院でも、いわき市の患者三十三人を受け入れたとのニュースがあった。個人で避難した方がいて、数はさらに三十人ほど増える。このネットワークは、阪神淡路大震災の折も多数の技師、看護師を神戸へ送り込んでいる。わたしが通うクリニックの看護師も神戸へ出掛けたようである。
 一方で、停電の影響で東京から多くの患者が西日本へ避難している。この七日間は停電がないが、いつ復活するか分からない。折角東京へ来ながら、停電ではどうしようもあるまい。夏になれば夥しい数の透析患者が西日本へ疎開するに違いない。
 二時間半とか三時間の短縮透析をわたしも受けたが、身体が痒くなる副作用に悩まされている。そしてスタッフは睡眠不足で疲れ果てたと云う。

 宮城県でカリウム性心不全で透析患者が複数亡くなった。三月十八日に「一週間透析を断つと身体中が浮腫んでくる。二週間断つと心不全や心筋梗塞で斃れる方が出る」と書いたが、看護師に云わせると二週間はもたないようである。宮城県の患者は四日目と六日目の発作だった。

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