価値とはなんぞや | 一考
ペダルの軸径に対する質問があった。出品はミカシマのクイルペダルである。当然、分解掃除をし、カンパのグリスアップを施している。掃除と磨きとグリスアップだけで3000円はするのだが、800円での出品である。大門未知子は手術が趣味だが、わたしは自転車とレガシーMacの分解修理が趣味なのである。
クランクへの取り付けネジの規格はフレンチ、イタリアン、BSCとさまざまで互換性はまったくない、しかし、ロードペダルの軸径は基本9/16×20のインチネジと決まっている。1/2×20はワンピースクランクのみ。
質問の主旨は9/16なのか軸径の細い1/2なのかと云うことだと思うが、1/2規格はアメリカ国内向けで、輸入品のBMXにごく稀に見られる。最近、アメリカからの輸入品が増え、規格はさらに混乱している。
軸径ではなく、軸のネジは前述したように複雑である。イタリアンはブリティッシュと同じ表記の9/16×20だが、、ネジ山の角度が違うので互換性はない。フレンチは14mm×1.25mmとのミリネジ。フランス規格以外はアメリカンを引っくるめてすべてインチネジである。
最後になったが「JIS(日本工業規格)」と「BSC/BSA(イギリスの工業規格)」は同じものである。
追記
ペダルを取り付けるのがクランク、クランクを取り付けるのがBB(ボトムブラケット)。BBにはシェル幅で決まる68mmと70mmがある。古くからあるスクエアーテーパーはシマノ、スギノ、ストロングライト、タンゲ、カンパニョーロ等各社から発売されているが、テーパー(傾斜角度)が異なり、互換性はない。四輪車のホイールと同じで、売るために意味も無くテーパーを変えている。
他に、オクタリンク、ISIS、パワースプライン、ホローテックII、ウルトラトルク、MegaExo、アクティブリンク、BB30等が開発され、今ではわたしの手に負えない。BBハンガー幅、内径寸法、対応フレームはことごとく異なッている。パソコンやスマートフォン同様、新しいものは「新しい」と云うこと以上の価値はなにもない。