歯科医 | 一考
「奥歯がぼろぼろと欠けてゆく」と月初めに書いた。何時までも捨て置くわけにいかず、透析を終えてから歯医者へ行く、病院の梯子である。拙宅の近所だが、若くて良さそうな医者に思われる。
麻酔は極端に少なくしてもらった。効けばよいので、それ以上は無用である。化膿止めと痛み止めを頂戴したが、痛み止めを飲むことはあるまい。薬に関しては腎不全であることを何度も説明した。例えば胃薬のようにアルミニウムが這入った薬剤は服用できない。腎臓が機能していないので、排出できないからである。
レントゲンを撮って、取敢えず奥の二本を修理しようということになった。歯の形の四分の一ほど残っている。当然抜歯だと思っていたが、残すと云う。二分割した差し歯を作って奥と手前から差し込み接着剤で合わせるようである。わたしには修理方法が皆目分からないが、分かる必要もあるまい。わたしごときに理解できない新しい技術が開発されたのであろう。だから若い医師は素晴らしい。もっとも、二、三年もてばそれで良いのだが。
ただ、歯医者は時間が掛かる。いつぞやの野戦病院のようには行かない。透析に合わせて暫く通わなくては。