レイアウトが崩れる方・右メニューが表示されない方: >>シンプル・レイアウトへ

« 2013年09月 | メイン | 2013年11月 »

2013年10月 アーカイブ


2013年10月29日

山菜と茸の丼  |  一考

121128jusho-thumb-640x480-315.jpg

 料理人をはじめたころ、父と毎朝市場へ買い出しに出掛けた。わたしは天婦羅が得意で、季節に応じて山菜またはきのこを重宝した。山菜もきのこも車海老とよく合った。ブラックタイガー(牛海老)は輸入がはじまったばかりで、バナメイエビが出回るのはずっと後のことである。
 そもそも山菜ときのこは季節が違う。ところが、違うはずの食材が、今では一緒に食べられる。何気ない風を粧っているが、食品加工技術や流通の発達によってとんでもない食材がスーパーでデペイズマンに並んでいる。これを利用しない手はなかろう。
 鶏肉と油揚げ(生揚げ)、そこへ山菜ときのこを入れると結構な丼になる。卵とじ良し餡かけ良しである。

 山口産の白烏賊が二杯499円で売っていた。刺身用の鯣烏賊と同じ値段である。腎不全にはよろしくない食べ物だが、ビールよりはまし、少量ならかまわない。ところで、イカの数え方は状態によって異なる。生きている時は匹だが、水揚げされると杯、干すと枚である。
 刺身も良いが、白烏賊のげそは焼くに限る。旧ですぺらを、「かさね」を思い出す。去年の末、かさねがミシュランガイドに掲げられた。そのお祝いにも行っていない。


チンピラの目つき  | 一考   

 ブラックタイガー、バナメイエビ、シロエビなど、冷凍エビのサイズは1ポンド(453.6g)当りのエビの匹数で表示される。例えば16/20とか31/40と称し、1ポンドあたり16〜20匹もしくは31〜40匹となる。一尾の重さは16/20が22〜29グラム、31/40が11〜15グラムとなる。
 1961年エビの輸入自由化が始まった。その前年は625トンだった輸入量は一挙に4,000トンを超える。自由化と共に、堰を切ったかの如く63年1万トンを突破、65年には2万トンを超え、67年には4万トンを超える倍々ゲームが展開された。そして1973年には10万トンを突破しアメリカを抜き、世界一のエビ輸入国になった。その後1994年には30万トンを超え我々の食べるエビの99%は輸入品となった。
 他方、福原桜筋中村美容院の跡地に割烹「赤坂」が開店したのが1963年12月、その前年から隣のハイボールセンター百万弗で働いていたわたしは開店と同時に赤坂へ移った。エビの輸入ははじまっていたが、赤坂ではクルマエビを使っていた。
 このところ海老がずいぶんと話題になっている。ブラックタイガーをクルマエビと詐称したと云うのである。活けのブラックタイガーを十代の頃食したことがあるが、滅多に食べられない希少品で、まず流通していない。
 そもそも冷凍のブラックタイガーは安価なためエビフライ用に輸入された。給料が一万円の頃に鰻の蒲焼きは一万円、エビフライは2000円ほどしていた。そのエビフライがブラックタイガーだと一挙に300円にまで下がった。当時のはなしである。
 赤坂は活けふぐの店である。河豚にせよ、鰻にせよ、エビフライにせよ、高級品で庶民が食するようなものでなかった。要するに、自由化でもって食べられるようになった。
 味だが、鮨屋におけるエビの躍り食いのごとく刺身でない限り見分けはつかない。もっとも冷凍品を生で食べられないが。レッドキャビアととびっこ(ゴールデンキャビア)を識別できないような客がホテルのレストランへ行くこと自体おかしいのでないだろうか。

 阪急阪神ホテルズの社長は最初の記者会見ではおよそ詫びとは縁のない戦闘的な目つきで記者を睥睨していたが、二度目のそれは人が変わったような低姿勢、目をしょぼつかせ、まるで人生ではじめて味わった挫折に打ち拉がれている様子だった。

追記
 活車海老1尾20グラムぐらいのが400円、10尾使えばそれだけで4000円になる。中華料理店が冷凍輸入エビを用いるのは当り前。況して濃厚な中華味に芝エビや車エビの必要はまったくない。


2013年10月27日

極東のペダル  | 一考   

 奥平の奥方の自転車のペダルキャップが脱落している。ペダルは極東のプロエース、国産ではもっとも傑れたペダルである。もっとも、極東はいまではサイクルパーツは作っていない。FET極東は元々は自動車関係の輸入商社、1985年頃から自転車の世界に参入し、DE-ROSA、Eddy-Mercx、CINELLIなどのロードレーサー、カンパニョーロやチネッリ、レジナ、カステリなどのヨーロッパ一流ブランドの部品やウェアーなどを取り扱うようになった。その後、2002年頃自転車の世界から撤退、自動車関連パーツに戻った。
 クランクとBBのスギノ(カンパとBBのテーパーが合う、国産唯一のクランクである)、ハブの三信、ペダルの極東はわたしの世代にあっては自転車の業界を代表するパーツである。
 ペダルキャップは明石なら電話一本で発注できるのだが、ここは埼玉、そこで最近売り出しの大型店舗へ行く。置いていないのは承知、註文するつもりである。「ペダルキャップを註文したいのですが」「ペダルキャップってなんですか」こちらではダストキャップと云うのかしらと思って、「ダストキャップですが」「ダストキャップってなんですか、クランクキャップのことですか」このあたりで話は諦めた。自転車の組み立ては国家試験を受けなければならない。ここの大型店舗はもぐりの業者である。
 自転車とは云え、人が命を預ける乗り物である。法的規制がないのを良いことにして、自転車の最終組み立てを素人が手掛けている。これも人件費節約なのか。

 極東と三ヶ島ではペダルキャップのネジの直径が異なる、わずかに極東が大きいのである。台湾のパーツメーカーVELOやALEXやwellgoなども合いそうにない。ヤフオクで調べてみると、とんでもない高値である。そこでwellgoのペダルを買った。左右セットで250g、MTB用のハイブリッドペダルである。


2013年10月25日

血を引く  | 一考   

 リンパ球サブセットとFlow PRAの検査は女子医で行われる。血液検査と点滴静注は一緒にできるのだが、わたしの場合は採血室と処置室(点滴、注射、吸入などを専門とする)なので、毎日複数の穿刺が行われる。
 腎不全によって血管の硬化が目立つ、その硬化によって高血圧となり、注射針は素直に刺さってくれない。腕は無理なので手首もしくは甲の血管を用いる。一方、処置室の看護師は穿刺のプロである。一度刺した以上は、例え血管が採られなくても簡単には抜かない。ぐりぐりと血管を探して針を動かすことになる。
 今回は二日連続で血管を抜いてしまった。刺した瞬間にそのことは分かるのだが、わたしは黙っている。いずれ探し当てるかもしれないからである。穿刺の成功を「血を引く」と云うが、なかなか血が引かれない。やがて看護師は申し訳なさそうに、遣り直しますねと云う。通常、一人の看護師は1回の穿刺で終わる。失敗した場合、2回目は他の看護師に変わる。ところが、同じ看護師が続けると云う、根性がある。こういう看護師がわたしは好きである。何度失敗してもかまわないから頑張れよ、と思う。
 わたしの手首は内出血で痣だらけになった。しかし、毎度のことなので、気にはならない。人工透析の穿刺を思えば、こんなものは痛みに這入らない。

 それにしても、ひどい処置室だった。腎不全、糖尿、石灰化、火傷による皮膚移植等々、血管を採りにくい患者ばかりがつづく。こんな日の看護師は可哀想だなあと同情する。

追記
 血液検査は項目によって2000円から数十万円まで、検査結果が出るまで一日から一箇月までいろいろである。
 以下は関さんに。日本におけるCTの導入は東京女子医科大学病院に設置されたのがはじまり。単純CTに対して造影CTがあり、わたしが受けた特殊な造影CT撮影法としてダイナミックCTがある。CTと云ってもX線CT検査に止まらない。ポジトロン断層法(PET)や単一光子放射断層撮影(SPECT)等が含まれる。X線CTとMRIはなんども受けたが、消化管疾患が中心となったので、わたしの場合はMRIよりもCTが有用となった。MRIにはさまざまな核磁気共鳴画像法があって、撮影時間から造影剤までいろいろ。血液検査同様、値も2000円から数十万円まである。


2013年10月23日

なぎさ食堂  | 一考   

 引っ越しに具えて食料品を減らしてきたが、改めて買い出しに行かなければならない。三郷市を商圏にもつ市場に松戸南部市場がある。関連棟、水産棟、青果棟、花卉棟の四部門からなり、青果部を除いて一般の入場、買物が可能。ただし、ほとんどの店舗が午前中のみの営業となっている。毎週行われる鮪の解体ショーと日向鶏が人気。素晴らしく安価かつ品数が揃った市場である。神戸の湊川市場と似ていなくもない。

 松戸南部市場にも結構な鮨屋や食堂がある。今日は石川の鯵刺身を購入、こちらは千葉の近海物ばかりで、日本海産の鯵は珍しい。それはそれとして、出来合いで食するのは寿司ぐらいなものである、もっともわたしが食べる寿司は8個399円である。先日、関さんと幹郎さんが自転車を取りにこられた。その御礼にと行きつけの回転寿司へ出掛けた。1660円の高級寿司だが、イクラや数の子は当然食べられない。ウニも駄目なのだが、積丹半島のなぎさ食堂を偲ぶよすがとして頂戴した。なぎさ食堂は当掲示板「ホテル地の果」で紹介している。
 腎臓を移植したにもかかわらず社会復帰はならず、病院詰め。15箇月で7回入退院を繰り返し入院日数は90日を超える。それが理由で今年は北海道へ行かれなかった。ひょっとすれば、来年は幹郎さんと行くことになるやもしれず。
 その幹郎さん来訪、ドアを開けてまず顔が白くなった、ですぺらの頃は真っ黒な顔だったと。末期腎不全のせいである。同様に最近太ったと云われたが、こちらはリバウンドでなく大量のステロイド剤が原因である。何事によらず、免疫抑制剤の副作用が優先される。しかし、薄志弱行でなくって出来る色は天下にあるものでない、とも云う。


2013年10月21日

生検の結果  | 一考   

 先々週の入院の結果が出た。生検の病理組織検査報告書は見せてはくれるが原則非公開である。無理を云ってコピーを頂戴したものの、診断医の許可を得ないと公表はかなわない。そしてわたしは女子医の診断医と面識がない、よって病理診断および病理所見は伏せる。要するに、組織学的に抗体関連型拒絶を呈しているようである。
 担当医師松田さんからは年内の引っ越しは遠慮するように云われた。取敢えず、今日明日の二日間、拒否反応を抑えるためにステロイド剤の点滴静注を打つ。いつものステロイド剤である、何度このステロイド剤を打ったことか。薬の詳細も同じ理由で遠慮する。
 通常、移植手術から三箇月経つと社会復帰できるようである。社会復帰とは相応に服用する薬の量も減る。ところが、わたしは既に一年三箇月を経たにもかかわらず、免疫抑制剤は止処なく増え、二箇月前のほぼ倍になった。クレアチニンは1.86、血圧は150、これらは腎機能の拒否反応が理由である。降圧剤はオルメテック30㎎、アテレック10を毎日服用していたが、さらに朝夕アルドメット250㎎を加える。

 書くことは幾らでもあるのだろうが、いささか疲れた。朝七時に拙宅を出て、帰ったのは五時半、久しぶりに高速道路(外環)を使った。

追記
 明日は点滴静注の前にリンパ球サブセットとFlow PRA(フローサイトメーターによるHLA抗体測定)の検査がある。ステロイド剤の結果説明は11月11日。
 サイトメガロウィルスpp65抗原定性の保険点数は426点、一口で血液検査と云ってもピンからキリまである。


2013年10月08日

意識喪失  | 一考   

 一昨夜、久しぶりに意識を喪失した。食器洗いをしながら調理をしていたのだが、少々量が多く、危ないなあと思いつつ一気呵成に洗っていた。途中で腰が痛くなったのは分かっていたが、毎度のことと気にしなかった。吹き出る汗にも気付いていたが、このところの気候の温暖さが理由とこちらも気にしなかった。それにしても、蒸し暑いなと独りごちながら、頑張っていた。その内、この汗が冷や汗なのに気付いた。しかし、時既に遅かった。ガスを止め、水を止めるのが精一杯、崩れるようにその場に倒れ込み、それきりになった。
 目覚めたときは全身びしょぬれ、タオルで顔と頸を拭って惘れ返った。どうしてもう少し手前で気付かなかったのか、と。時間にして30分ほどと思う。昏倒でなく、謂わばプチ失神である。プチと書いたのは、このところ病院内で何度も失神した。毎回心臓マッサージがサービスで付くようだが、後から訊くと大体1時間強ほど気を失っているようである。本人は10分か15分と感じているのだが。
 最中にどのような夢を見たのかは分からない。ただ、目覚めたときに無性に腹が減っていた。もっとも、空腹を感じはしても、食べられるものではない。それにしても、随分と健康的な失神でないだろうか。


2013年10月06日

無料の本箱  | 一考   

 拙宅の本箱が不用になった、必要な方のご連絡をいただければ幸いである。昨今流行りの合板なら反ったり割れたりするが、白ラワンの一枚板で頑丈なことこの上ない。板代だけでも一本7〜8万円はするが、当然、無料である。
 昔、実家を出て、明石の一軒家を借りた折に拵えた。幅は90センチと100センチが22本あって、床から天井まで8段。収納を最優先に考えたので、奥行きは16.5センチ、格段の高さは最下段を除いてA5判に合わせている。
 木造家屋とマンションでは高さがまるで違う。で、現在はマンションに住んでいる。従って、若干寸を詰めた。11月の引っ越しの折に棄てることになる。出来るだけ迅速なご連絡をお願いする。
 本箱は一本、二本でも可能、好きなだけ引き取っていただければありがたい。

 連絡先048−954ー7170(引っ越しと同時に電話番号も変わります)


2013年10月02日

好転せず  | 一考   

 moonさんから最近掲示板への書き込みがないねえと云われた。書き込みがないと云うことはその後の進展、好転がなにもないのである。体調はそのまま、血液検査にも変化が出ない。引っ越しも転院もストップがかかったまま、なにも出来ないのである。
 今回の腎生検も転院するための根拠なり理由が見付からないかとの医師の厚意の表れであって、あちらさんも大変なのである。月曜日の入院の日、先に外来の窓口へ赴いて血液検査を申し込んだのだが、現状ではなにも変わらないと断わられてしまった。
 もっとも、ヘモグロビン値だけは若干好転している。慢性の貧血と高血圧(常に140を超える)はどうにもならないが、平均値7だったヘモグロビンは9前後を行きつ戻りつしている。下血がなく、サイトメガロウィルスがおとなしくしているだけでも気は休まっている。

追記
 降圧剤のオルメテックを30ミリ、一箇月以上服用しているがまったく血圧は下がらない。とは云え、服用量をさらに増やすわけにいかない、さてどうしようか。


注射針の種類  | 一考   

 腎生検で入院。いつもは2回の穿刺で済むのだが、今回は四回、最初の2回は針が曲がってしまった。曲がった理由は腎臓の表皮が硬くなったからである。穿刺針は16Gの極太である。
 ちなみに、ネット検索してみると、腎生検の入院期間は平均6日、費用は3割負担で6、7万円ほどである。わたしの場合、今回が三度目の腎生検だが、毎回一泊、費用は前回が28000円、今回が29000円である。
 今回はいつものように気分爽快とは行かなかった。術後二日目、要するに昨日は終日痛みが残った。いまだに止血テープを貼ったままである。

 腎生検に用いる穿刺針は二重構造になっていて、内側の針は先端付近が1cmほど削って凹んでいる。この針がバネ仕掛けで腎臓に刺さった次の瞬間に外側の針が中の針を包むように進む。凹んだ部分の組織が切り取られて、細紐のようになった腎臓が採取される。穿刺針には1cm間隔で目盛りが描いてあり、エコーで計った腎臓の深さに合わせる。
 引っ越し先の新しい病院(病院名は伏せる)では腎生検で動静脈瘻(腎臓のなかにある動脈と静脈がつながってしまうこと)を合併し患者が死亡している。情けない病院である。

針のサイズ 外径 色
14G 2.1mm  pale green
15G 1.8mm  blue grey
16G 1.6mm  white(人工透析用)
17G 1.4mm  レッドバイオレット
18G 1.2mm  ピンク(輸血用)
19G 1.1mm  クリーム
20G 0.9mm  黄
21G 0.8mm  深緑(筋肉内注射)
22G 0.7mm  黒 (採血・静注)
23G 0.6mm  deep blue(皮下注射など)
24G 0.55mm  medium purple
25G 0.5mm  オレンジ(予防接種,麻酔・鎮静)
26G 0.45mm  茶色(ツベルクリンなど)
27G 0.4mm  medium grey(皮内用)
28G 0.36mm  青緑
29G 0.33mm  赤
30G 0.3mm  黄 (インスリン用)

透析時の針の太さと血流の限度を考えると、
17Gでは、180ml/mまで
16Gでは、250ml/mまで
15Gでは、350ml/mまで  
となっている。要するに、穿刺針は太いほど効率が良い。

 http://blog.livedoor.jp/aki684210/archives/cat_50045887.html

このページについて..

2013年10月

に「ですぺら掲示板2.0」に投稿されたすべての記事です。新しいものから順番に並んでいます。

次のアーカイブ←:2013年11月

前のアーカイブ→:2013年09月

他にも多くの記事があります。
  • メインページ
  • アーカイブページ

  • も見てください。

    アーカイブ

    ケータイで見るなら...


    Google
    別ウィンドウ(orタブ)開きます。

    牛込櫻会館(掲示板1.0他)内
    ですぺらHP(掲示板2.0他)内
    Powered by
    Movable Type 3.34