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2018年05月 アーカイブ


2018年05月30日

ジャパニーズウイスキーの高騰  | 一考   

 女房から久しぶりに電話があって客から山崎を探してくれと頼まれたようである。彼女の依頼とあればどのような無理をしても調達はする。しかし、5000円だったノンエイジの山崎は現在14000円、13000円だった12年シングルカスクは26000円に高騰している。なんでここまで値上がりしてからと思う。
 原酒不足が理由だが、10数年前はひとはこぞって酎ハイ、ウイスキーなんぞ誰も見向きもしなかった。よってサントリーもニッカも生産調整、その影響がいまごろ出てきたのである。スコッチの売れ行きに応じて生産調整または生産拡大をスコットランドの蒸留所は繰り返してきた、スコッチの歴史は暴落と高騰の連続である。ところが日本人は中国人の買い占めが理由だという。
 前項で書いたように山崎の本物は最安値でも182000円である。ボトルに一割のモルトを入れて他はエチルアルコールで埋めたにせよ18200になる。中国人は本物のモルトウイスキーしか買わない。日本人はインチキを承知で安い似非ウイスキーを買う。中国人を莫迦ににするなといいたい。
 今回の暴騰を起こした張本人は酒屋である。昨今の酒屋は定価販売に無頓着である。アマゾン、楽天、ヤフーショップで競うように値を上げているのはすべて酒屋である。現時点ではヤフオクがもっとも安価である。ジモティーやメルカリはさらに高い。このような時こそストラスアイラ、ハイランドパーク、グレンマレイなどを飲んでいただきたい。ジャパニーズウイスキーの値上がりは2年前からだが、まだ5.6年は続く。買うのは控えた方がよろしいかと。

追記
 女房の山崎だが、蒸留所で販売していた300ミリリットルのボトルを調達した。


2018年05月26日

iMac A1311購入  | 一考   

 2005年製のマックを使っている。PowerPCなので、ネットにはまったく不向きだが、まずは文章が書かれるようになっただけでも良しととするしかない。ところが、ヤフオクが6月1日からPowerPCを切り捨てるようである。ヤフオクへ繋ぐ度に使えなくなりますとのテロップが流れる。
 困惑していても仕方がないので、iMac A1311を購入することにした。はじめてのiMacである。Core i3 3.06GHzを積んでい、Core i5やCore i7の下位モデルである。オンラインゲームには無縁なので、クアッドコアでなくデュアルコアで十分である。
 それよりなにより、中古で求めるとMac miniよりiMacの方が安いのである。ディスプレイが付いている分、高くなりそうに思うのだが。到着が待ち遠しい。


高級ウイスキー  | 一考   

 高値のウイスキーは置かないつもりだったが、リンリスゴウ(セント・マクデラン)、ブローラ、ポート・エレンの3種を置くことにした。81年、82年蒸留の最終バージョンである。リンリスゴウはマキロップ、ブローラはシグナトリー、ポート・エレンはダグラス・マクギボン、3本ともカスクストレングスである。
 セント・マグデランはレア・モルトよりゴードン&マクファイル社の100周年記念ボトルもしくはマキロップ・チョイスの方が好みである。トライすべきミディアムボディ、充実したボディはバランスがよく、シェリー風味のソフトな美酒に仕上がっている。
 ブローラもレア・モルトよりザ・ボトラーズもしくはダンカン・テイラーのものが好きである。レア・モルトは総じてシェリー樽由来のナッツのオイリーな風味と熟した果実の甘さが勝ち、クライヌリッシュと比してドライまた極めてスモーキーな味わいや噛みごたえのあるタンニンを伴うスパイシーなフィニッシュが稀薄になる。要するに、レア・モルトは旨すぎて小首を傾げたくなる。本品は70年代の鮮烈な煤けた味わいはないもののメロンを思わせる香りがあって、それ自体ひとつの個性として楽しまれる。
 マクギボンのポート・エレンはジョン・ミルロイの手になるセレクション。兄弟会社のダグラス・レインのオロロソシェリー樽はオフィシャルボトルとして販売されたが、マクギボンは61.7度、61.3度、62.2度、55.1度の4樽をそれぞれボトリングしている。ミルロイの撰だけあって絶品。他に特筆しておきたいのは82年蒸溜の20年もの46度のポート・エレンはとりわけスモーキーだった。大半がシェリーカスクだが、81年蒸溜の18年もの43度のみダーク・シェリーだった。誰一人云っていないが、ダグラス・マクギボンのポート・エレンは一本ずつに個性が異なる。値はハーフショットで2500円を予定している。


藤江屋分大  |  一考

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 先日、井筒典久さんが分大の安藤さんと連れだっていらした。久しぶりに羊羹や砂糖の話で盛り上がった。藤江屋分大は1818年創業、爾来、明石の地で和洋菓子の製造・販売を手懸けてきた老舗である。もなか、丁稚羊羹、藤の沢、ざろん梅などで識られる。
 アメリカ独立戦争の遠因になった砂糖だが、わが国では1700年代末に精糖方法が確立され、四国で和三盆が生まれる。和三盆は貴重な特産品として諸国へ売りに出され、全国の和菓子や郷土菓子の発展に大いなる貢献を果たした。
 子供の頃、米粉に水飴や砂糖を混ぜた落雁を「はくせんこ」と称して大事にしたものだが、和三盆だけで型押しした高級な落雁もあった。現在では粗糖を使って和三盆に類似した、和菓子用の加工糖がつくられている。
 砂糖は、製造法によって含蜜糖と分蜜糖とに分けられる。含蜜糖を代表するのが黒砂糖と和三盆、分蜜糖のカテゴリーにはザラメ糖、グラニュー糖、上白糖、三温糖、角砂糖などが這入る。分蜜糖すなわち白砂糖と比してきび糖・黒糖・てんさい糖など精製があまく茶色く色が残った含蜜糖の方が身体に良いのは当然。近頃売られている三温糖は上白糖を着色しただけのものが多く、ほとんど意味をなさない。フランス料理では砂糖大根やビートから採られるてんさい糖が一般的だが、食材のおいしさを引き立て味わいに深みを出すには最適である。とりわけ血糖値が気になる方は是非てんさい糖をお薦めあれ。いい加減に日本人も上白糖から解放されるべきである。

 分大の包装紙は戸田勝久さんの手になるもの、機会があれば一緒に来られるとか、西明石のですぺらでお会いして以来である。開店を祝って泥牛造の盃を頂戴した。白釉の線が面白い景色を生み出している。わたしの宝物である。


2018年05月19日

レガシーマック  | 一考   

 店のmacを自宅で使っている。よってですぺらはレガシーマックである。
 OS 10.4.11でつながっているが、ブラウザが古すぎて具合がよろしくない。ネットには繋がるようになったが、メールの使用は不可能である。ですぺら掲示板は閲覧のみで書き込みができない。フェイスブックはわたしの書き込みしか見られない。ヤフオクは検索はできるが、入札もなにもできないなど、問題山積。とは申せ、新しいmac miniを買う金はない。まずは文章が書かれるようになっただけでも良しととするしかない。
 ちなみに機種は、2005年に発売されたmac miniのマイナーアップデートされたモデルである。HDはATA接続の80GB、メモリは1GB、プロセッサは1.5 GHz PowerPC G4。VRAMが32MBから64MBへ増やされている。もっとも、Intel macでなければなんの役にも立たないのだが。

追記
 http://www.floodgap.com/software/tenfourfox/
 10.4.11で使えるブラウザでもっとも良いのはTenFourFoxである。わたしはcpuに合わせてTenFourFox for G4 processors: 7450を使っている。


2018年05月16日

故障  | 一考   

拙宅のMACが故障、修復できるかどうか分かりません。古いG4は動きますが、メールの受信は不可能、ダウンロードも不可能、なにしろOS.9ですから。当分のあいだ、どうにもなりません。悪しからず。


2018年05月10日

性と政治について  | 一考   

 アンドレア・リタ・ドウォーキンが亡くなったのは2005年4月。「ポルノグラフィ―女を所有する男達」で「結婚とはレイプを正当化する制度。レイプは本来、婦女を無理矢理連れ去るという意味だが、連れ去って捕虜にすると結婚になる。 結婚とは捕虜である状態の拡大延長。略奪者による使用のみならず所有を意味する」と述べている。
 男性と女性の関係はすべて性関係であり、その性関係はすべて性差別である、との信念に則って、彼女の「強姦一元論」(すべての性行為は強姦である)は展開される。吉澤夏子さんはドウォーキンの信念を「極端にいえば、誰かを女だと見なした瞬間、それはすでに相手に合意のない性関係を強いていることになり、それこそが性差別だ」と著し、「ドウォーキンを読むことの醍醐味は、この鮮やかな世界観の反転を体験・感受するということのうちにある」と結論する。ドウォーキンが引き継いだ「性と政治」の論理はSMの世界や同性愛の世界にもそのまま通じる。彼等、彼女たちはマイノリティであるが故に、日々、否応もなくポリティカルな場に裸で抛り出されている。
 イギリスで客死したシモーヌ・ヴェーユはホメロスの叙事詩を「敵に対する侮蔑の不在」と論じた、否、論じざるを得なかった。それほどまでに、第1次世界大戦以降の争いは汚濁に満ちたものになった。ジュネやギュヨタが、人身売買、売春、奴隷といった戦争と性の関係を執拗に書き綴ったのも、「性と政治」の問題、売春という黒い穴をいまいちど穿ち直そうとしたのでなかったか。
 家庭と娼窟と戦場では強姦と奴隷性が合法的に演じられ行使される。その偽善と暴力を問い、個人のなかに潜む政治性を告発しつづけるピエール・ギュヨタの文学は人間性に対する根元的な侵犯行為そのものではなかったかと思う。人間の身体は人間の欲望によって使用される。謂わば人間の身体は生きた貨幣のようなものなのである。それを諾わなければ、性愛の可能性について思惟することはできない。
 東京でお会いした折、ギュヨタはジルベール・レリーのサドに関するエッセイ並びにベンヤミンの「単なる性」から大きな影響を受けたと仰っていたが、ベンヤミンはクラウスを援用する。「性の交わりと金銭の交換が交錯しているということによって、またその交錯の仕方によってはじめて、売春の性格ができあがるのだ。売春がひとつの自然現象であるとすれば、それは、金銭の交換という経済の自然的側面からも、また性の自然的な側面からも、まったく同様にそうだといえる。「売春を軽蔑するだって?〳娼婦は泥棒よりたちが悪いだって?〳学んでほしい、愛は報酬を受け取るだけではない〳報酬が愛を与えることもあるのだ!」この二義性、二重の自然性となって現れた二重の本姓が、売春をデーモン的なものとする」
 ドウォーキンが「強姦一元論」で定義づけた絶望の果てにやってくる価値観や世界観の顛倒に一縷の望みを託したように、「50万人の兵士の墓」もまた、政治と性の領域を縦横に跳び回る。そして第七章はあまりにも悲しい。言い換えれば、美しい言語を巧みに操るところに文学があるのではなく、「文学とのかかわり方を根底から検証しなおすことを余儀なくさせる」ところにこそ美がある。


2018年05月05日

モルトについて  | 一考   

 昭和30年代のハイボールと今のハイボールとの違いは炭酸にある。昔の炭酸は出来合いではなく、ドライアイスを砕いて水と共にタンクへ詰める。よって炭酸は強烈、それがバーテンダーの朝一番の為事だった。カウンターには必ず水と炭酸のサーバーが設けられていた。恰度ビールサーバーのように。
 ビールサーバーは戦前からカラン(ドラフトタワー)と呼ばれていたが、ハイボールセンターにビールは置いていなかった。もっとも、日本のビールと称する飲み物は生も瓶も罐も中身は同じである。ウイスキー同様、こちらも麦芽とホップを極端に減らしたビール擬きの飲み物なのである。サントリーにトウモロコシ・米・コーン・スターチ等の副原料を使用せず、麦芽100%で製造された「モルツ」がある。86年のことだが、日本人には本物は受けないらしく、早々に発売は停止された。現在売られているモルツとは若干異なるように思う。
 「若干異なる」点をいまひとつ。サントリーが最初に売り出した白札はピートを焚いていたゆえに、わが国ではまったく売れなかった。NHKのドラマ「マッサン」は夫婦を軸とした人情喜劇であって、ウイスキーに関することは副産物なのでどうでもよいのだが、エリーの故郷スコットランドに似た北の大地で本物のウイスキーを造ろうとして、また石狩平野には良質のピートがあると信じて余市へ渡るとの設定になっている。石狩平野のピートが使い物になるかどうかはさておき、ニッカは創立以来ただの一度もピートを焚いていない、すなわちフロアモルティングは行っていないのである。現在焚いているのは観光客向けであって、それでウイスキーを造っているのかと云えば否としかいいようがない。理想のウイスキー造りに燃えながら、サントリーもニッカも共に日本人向けの3級ウイスキーを製造していたのだからはなしにならない。啓蒙するのでなく迎合することしか頭にない商売人である。

 あまり人口に膾炙していないが、わが国のウイスキーメーカーは原材料のモルトをスコットランドのモルトスターから全量購入している。130ほどあるスコットランドの蒸留所もモルトスターから買っている。アードベッグやラフロイグも自らフロアモルティングをしているが、僅かな量ですべてを賄うにはほど遠い。自社でのモルティングは金銭的に割が合わないのである。


ジャパニーズウイスキー追記  | 一考   

 「「ジャパニーズウイスキー」の悲しすぎる現実」の文中、「原産地以前に、酒税法の定義自体を疑問視する声もある。同法では、サトウキビの搾りかすなどを原料にした醸造(ブレンド用)アルコールやウオツカなどのスピリッツの混和が9割まで認められている」とあるが、この記述を素直に読めば、まるで1本のなかに1割のウイスキーが這入っているかのようである。角やブラックニッカにスコットランドでいう意味でのウイスキーは這入っていないのでないだろうか。わが国では出来たてのニュースピリッツであっても表記はウイスキーになる。要するに、1割のニュースピリッツと9割の飲用アルコールを混ぜ合わせたものが日本のウイスキーである。「9割は混ぜ物で大丈夫?」と書かれているが、10割でも大丈夫なのである。この消息は千円のウイスキーであれ、2万円のウイスキーであれ対して変わらない。スコットランドのスコッチ・ウイスキー法に照らせば、日本から9.999割のウイスキーは消えてしまう。
 昭和30年代、売春防止法の後にハイボール全盛期があった。福原にも100万ドル、石、大ドルなどというハイボールセンターが開店、この世の春を謳歌した。そして昭和40年代は水割りの全盛期だった。60年を経て今また、ハイボールが流行っているという。いつの世になってもなにかで割らないと飲まれないウイスキーの販売合戦は続いている。


日本、国連人権理事会の投票で同性愛者の死刑を支持  |  一考

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 http://www.ishiyuri.com/entry/2017/10/04/japan-votes-against-UN-resolution-condemning-gay-sex-death-penalty

 先だって「世の中の仕組みを男と女の二項対立で計られると思うこと自体が差別的である」と書いたが、やはりわが国の政府の本音は相撲協会と同じく、このようなところに如実に表れている。念の為に引用しておく。

石壁に百合の花咲く
日本、国連人権理事会の投票で同性愛者の死刑を支持

2017年9月29日、国連人権理事会が、同性愛行為を死刑の対象にすることを非難する決議を実施しました。日本は反対票を投じました。つまり、日本はゲイを死刑にするのは人権侵害じゃないと思っているってこと。
詳細は以下。

 https://www.pinknews.co.uk/2017/10/03/why-did-the-us-vote-against-banning-the-death-penalty-for-gay-people/

ILGAの報告によれば、同性愛行為は現在世界72か国で違法とされており、うち6か国では死刑の対象となっています。9月29日、国連人権理事会は、「背教、冒涜、姦通、合意上の同性関係など、特定の形態の行為に対する制裁」としての「恣意的な、または差別的な」死刑に抗議するための決議をおこないました。この決議で、47の理事国中27か国が賛成票を投じ、13か国が反対、7か国が棄権したとのこと。Independentによれば、抗議に反対した国は以下の通りです。

ボツワナ
ブルンジ
エジプト
エチオピア
バングラデシュ
中国
インド
イラク
日本
カタール
サウジアラビア
アラブ首長国連邦
アメリカ合衆国

日本は同性愛をとがめる宗教が国教だというわけでもないのに、このありさま。米国に追従したいのか、それとも何が何でも死刑は人権侵害じゃないってことにしたいのかは謎だけど、いくら「LGBTブーム」とかなんとか言ったところで本邦の実態はこんなもんよ。


2018年05月01日

連休の間は営業中  | 一考   

 連休の間の営業だが、日曜日以外は営業している、どうかよろしくお願いします。

 ウイスキーに限らず、酒について書くことはいくらでもある。当掲示板で散々書いてきたが、ここは明石、いちからの再スタートである。当地では酒の常識非常識が混在している。例えば、本醸造=アル添=三増酒といった迷信やドイツでは「ビール純粋令」があって大麦、ホップ、水だけで造られるビールが本物であると云った出鱈目な知識が跋扈している。ビール純粋令は下面醗酵ビールに限ってのはなしなのだが、そうしたとんでもない誤解を振り翳しての議論は疲れるのである。従って、2001年に戻って再び酒の基本について書こうかと思う。過去の稿との重複はお許しを請う。

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