レイアウトが崩れる方・右メニューが表示されない方: >>シンプル・レイアウトへ

« 2018年08月 | メイン | 2018年10月 »

2018年09月 アーカイブ


2018年09月30日

一億総白痴化  | 一考   

 貴乃花が引退するとかいう会見を見ていて、自らの非を認めようとしない彼のプライドの高さ、言い換えれば被害者意識しか持たない日本人の典型を見た思いがした。かつて理事会の席でゴッドファーザーよろしくマフィアのような格好でふんぞり返っていたのを思い出す。見苦しいまでにふて腐れた自己顕示欲、改革と云いながら、自分が理事長になるのが当然という権力亡者、大相撲版現首相とでもいうべき神がかったファシスト気質の御仁である。
 相撲などというものはプロレス同様格闘技であって決して神事なのではない。後世の有象無象が取って付けた権威付けに他ならない。神事だと宣うのなら白鵬を関取として況んや横綱として土俵に上げるのはおかしいし、かち上げや張り手を禁じるなどもってのほかである。

 正義とかファクトは相対的なものであって、視る側の立ち位置もしくは時代によってどうにでも流転する。わが国のごとく歴史修正主義に基づく歴史観を国民が支持しているような場合は特に改竄が顕著である。中華民族や朝鮮民族が内包する複雑な思想は、国家=国民の境界が自明な日本人には到底理解できないであろう。隣国にあっては国家は民に向かって鉄砲を構えるものとして理解されている。よって国民は政府を信用していない。歴代の大統領が悲惨な目に遭うのはやむを得ない。
 昨今、中、朝が攻めてくるとの妄想に首相以下臣民に至るまでがどっぷりと浸っている。戦争や内戦がしばらくないとひとは諍いを求めるようである。ましてや戦争を経験した政治家がいなくなった。平和呆けとは現今の武力を崇めるひとたちを指す言葉であろう。310万人の犠牲によって得た平和憲法を慈しみ大切にしているのは一人天皇陛下だけではあるまいか。臣民と前述した、国家ならぬ、時の政府に忠誠の義務を持つなどあってはならないことである。


2018年09月13日

貧血とサプリメント  | 一考   

 栄養補助食品もしくは健康補助食品といわれるビタミン、ミネラル、アミノ酸、ハーブなどが何の役にも立たないのは良く分かっている。医師も決して薦めない。しかし、病院で処方される鉄剤は非ヘム鉄なので、胃痛や吐き気がひどい。そこで生まれてはじめてのサプリメントとなった。気休めであることはいうまでもない。
 購入したのはトンプソンのビタミンB12 500mcg 90粒[海外直送品] と小林製薬のヘム鉄 葉酸 ビタミンB12の2種である。他の商品でも良く、選んだ理由はなにもない。医薬品と異なり、鉄分の用量は10分の1以下。たいして効果は望まれないが、身体への負担はまったくない。なんとかしてヘモグロビン値を少しでも上げたいのである。
 貧血は血液の赤血球の中にあるヘモグロビンという血色素が減少したために起こる。ヘモグロビンは身体の組織に酸素を運ぶなど、重要な役割を担っているため、減少するとさまざまな組織が酸欠状態になる。結果、「顔色が悪い」「全身倦怠感」「立ちくらみ」「胸痛」「動悸」「息切れ」などさまざまな症状を起こす。エリスロポエチンを打てば良いのは分かっているが、値が高いのと腎性貧血の場合、ヘモグロビン値が30あれば治療は必要ないとされる。
 もっかの夢は500メートル歩くことと自転車に乗られるようになること。

追記
 血液の酸素運搬能の増加により持久力を増強させることを目的としたエリスロポイエチンによる血液ドーピングはツール・ド・フランスにおいて多用された。もっとも、最近では機械ドーピングになったようだが、モーターアシストと記述すべきである。ちなみに、人力自転車で出した世界記録は時速296キロ。最高速チャレンジの聖地ボンネビル・スピードウェイでアメリカ人女性デニス・ミューラー=コレネクさんによって達成された。時速333キロとの記録もあるが、こちらはロケットエンジン付きなので問題外。


蕎麦の実の浅漬け〈2003年11月06日〉  | 一考   

 蕎麦の実の外皮を取り去った(丸抜き)ものを蕎麦米といいます。徳島、愛媛、山形では干した大根の葉や生姜、椎茸、牛蒡などとともに雑炊にしていただきます。三好郡の祖谷地方や美馬郡あたりの山村の蕎麦米は特に知られています。また新潟や山形の一部では蕎麦米の浅漬けが酒の肴として食されます。江戸期の蕎麦百珍にもそのレシピが書かれ、蕎麦通には馴染みの食べ物です。
 ところが東京へ来て以来、蕎麦屋で蕎麦の実の浅漬けに出会ったことがございません。そして検索をかけて驚いたのですが、ネット上に浅漬けの記述がないのです。どうやら東京の蕎麦好きにとって興味の対象は蕎麦切りであって、懐石としての蕎麦はうっちゃられているようです。もとを正せば、蕎麦が名をなしたのは懐石料理で採り上げられたからなのです。もう少し料理人が差配する蕎麦懐石にも目を向けていただきたいものです。
 さて、その蕎麦米の浅漬けのもっとも簡単な作り方を書いておきます。所要時間は二時間以内、末尾に購入先も記載しておきます。

 一 しかるべき量の蕎麦米を一時間ほど水に晒した後、水切り。
 二 白出汁に酒と微量の酢と塩を加え煮立てます。そこへ蕎麦米を入れて七分から十分とろ火で炊き、再度水切り。
 注意事項
 白出汁はインスタントの出しの素で結構ですが、その場合は塩は不要です。
 酒は全量の五分の一から四分の一ぐらい。間違っても吟醸酒は用いないように。
 酢は水四合にティースプーン一杯といった感じ。
 蕎麦の実が水を吸って三倍ぐらいに膨らみますので、だし汁は潤沢に用意してください。
 三 冷ました蕎麦米を密閉容器に入れ、三分の二ぐらいまで浅漬けの素を入れます。そうするとあら不思議、三十分で出来上がりです。

 蕎麦好きにはそのプチプチ感が堪らないのですが、にべもない香味であるのも事実、カタルシスからはほど遠いと思われる向きには鷹の爪の微塵切りを一緒に漬け込むのをお薦めします。ただし、微量にしてください。

追記
 上記文章が契機になって外山時男さんと知り合った。八重洲で三日月との蕎麦屋を営む風変わりな御仁だった。彼との蕎麦談義は抱腹絶倒ものだったが、そちらは掲示板を読まれたい。今回、「蕎麦の実の浅漬け」を再録したのは日高さんが食したいと所望されたからである。日持ちしないので、日時を決めて作る予定。


2018年09月11日

安井健司さん来店  | 一考   

 世界三大貴腐ワインはフランスのソーテルヌ、ハンガリーのトカイ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ。共に、はちみつの香りと甘さを内包するので、果糖やブドウ糖をかけて食べるような塩分の強い料理と好相性を持つとされる、すなわちブルーチーズの類いである。しかし、わたしの病気にはブルーチーズと塩は法度、それどころかブルーチーズは死に繋がる。
 東京では通じない関西弁ランキングに、
第1位 遠慮のかたまり
第2位 蚊にかまれる
第3位 ぐねる
第4位 アテ
第5位 いがむ
があるそうな。アテはつまみ、肴、酒菜のことで、かつて羊羹などの和菓子は日本酒のアテとして開発された。甘さを甘さで打ち消すということで、発想が欧州のそれとは真逆である。チョコレートとワインは合わないとされてきたが、それは双方のポリフェノールの渋みや酸味が層をなし雑味を形成するからである。合わないのは赤ワインであって、ドイツワインそれも貴腐ワインは消息が異なる。それこそ、分大の羊羹をアテに貴腐ワインを飲みたいものである。
 先日、安井健司さん来店。失礼ながら、当初わたしは安井さんと気付かなかった。初対面でもう少しお年を召した方とおもっていたからである。わたしに飲まそうとアッペンハイムのグレス トロッケン ベーレン アウスレーゼをはじめ、3種の白ワインをわざわざクーラーボックスを担いで持ってこられた。他はラインヘッセンのヴェストホーフェン ショイレーベ とバーデンのキーファー ショイレーベである。この内、ヴェストホーフェンだったと思うが、2年の樽詰めを経たワインでドイツには珍しいワインである。ドイツワインはブドウの香味を活かすためにステンレスタンクで熟成される。樽を用いると樽由来の余計な香りがワインに移るからである。この消息はウイスキーにもいえる。昨今のマッカラン、グレンファークラス、サントリーのようなフレンチオークのシェリー樽を熟成に用いたウイスキーはシェリーの渋みのみが強調されてウイスキー本来の香味が活かされていない。謂わば、下卑た酒になってしまっている。アメリカンオークのシェリー樽に留めていただきたいものである。
 フランスのソーテルヌ・バルザックは共にボルドーの貴腐ワイン。ボルドーゆえ、ブルゴーニュと違ってネゴシアンが介在する。わたしが飲んだのもサントリー扱いのカルヴェのワイン、印象は不味いの一言。トカイは3プットニョシユしか飲んでおらず、エッセンシアなどは飲んでいない。エッセンシアは圧搾機にかけず自然の重みで搾り出された果汁を自然発酵させたもの、日本酒の雫酒と似ている。ソーテルヌと比して、ドイツでは絞った果汁をかなりきれいに清澄してから醗酵させる。ドイツの貴腐ワインのピュアなイメージ、喨々たる香味はそこから来ている。
 貴腐ワインの原点は蜂蜜酒ではないかと思っていた。人類最古の酒で、ディオニューソスはもとは蜂蜜酒の神であったといわれている。ビールやワインの登場後も蜂蜜酒はヨーロッパにおいて地酒として愛飲されている。ところが、安井さんによるとその二者はまったく関係ないとのこと。訊いてみるものである。わたしは手に負えない、かなわないひとが大好きである。わたしにない知識を山とお持ちだからである。字義通りのプライドとかこだわりをわたしは持たない、というよりは信じない。こだわりでなく、飲んでいるうちに自然と身についてくる香味へのおもい、または鍛えられてこそ生じる旨い不味いの基準といったものがある。それを安井さんはお持ちである。貴腐ワインを飲むべくして生まれてきたような御仁なのである。


2018年09月10日

ありがとうございました  | 長谷川   

予想外の貴腐ワインに始まり、モルトを飲みつつ一考さんの縦横無尽なお話を楽しんでいるうち、あっという間に過ぎた5時間余でした。これが最後と思うと去りがたく、すっかり晩くなってしまったことをお詫びします。いただいた幾多の美酒のなかでも、やはりSMSのタリスカー1979はとびきり旨く、永らく記憶に残るボトルとなりそうです。

思えば今回はですぺら閉店を知って、矢も盾もたまらず明石再訪を決めたものです。また突然のお願いにもかかわらず、吉岡実の詩稿「来てみれば秋~」を見せてくださり、本当にありがとうございました。赤坂ですぺらへ行くたびに見惚れていたものですが、当時撮った写真をいつしか失くしてしまい、何とかもう一度目にしたいと希っていました。奇しくも初秋の訪問となった今回、改めて撮らせていただいた写真は大切にするつもりです。

実は翌朝も明石で下車し、「ですぺら」の佇まいを目に焼き付けました。続いて向かった神戸では、前回行かれなかったG線~にしむら珈琲店を巡りました。あいにく終日の雨でしたが、いきおい耕衣句「コーヒ店永遠にあり秋の雨」を、ひいては一考さんが銀花に寄稿された「括弧で括られた〈引用〉への旅」を想起しつつの町歩きとなりました。

あまり感傷的になることのない私ですが、今回のですぺら詣ではどこか切ない旅の時間となりました。赤坂時代を含め微々たる回数ながら、一考さんのお話を伺いながら飲む酒は本当に愉しいものでした。酒や書物について教えていただいたことは数知れず、得がたい時間だったと思います。ですぺらの灯が消えるのは本当に残念ですが、今後も掲示板でご謦咳に接します。

追伸:名残惜しさゆえか、お店の椅子(奥から2番目の席?)に扇子を忘れてきたようです。使っていただいても構わないのですが、いずれまたヤフオクで落札させていただく機会もあろうかと思いますので、ご不要であればその際に同梱をお願いできますでしょうか。
なお持ち帰ったボディントンエール~チリのカベルネ1985も早速いただきました。前者はクリーミーながらも雑味のないほろ苦さ、後者はカシスジャムの如き芳醇な風味を篤と堪能しました。帰宅後も続く美酒の教えに、重ねてお礼を申し上げます。


2018年09月06日

高潮  | 一考   

 前項で店に風雨が吹き込みと書いたが、高潮によって下水が溢れたのが理由だった。跡が残っていたので計ると29センチの浸水だった。ですぺらがある桜町界隈は海抜ゼロメートル地帯、にもかかわらず防潮堤や水門などは整備されていない。21号は20号より大きな被害をもたらしたが、ですぺらに限っては前回の被害の方がひどかった。もっとも、事前の準備が功を奏したのだが。
 夕6時、風が収まるのを待ってオートバイをとばした。案にたがわずブレーカーは落ちていた。3時間ほど店にいたが、どうせ客の来店はないだろうと帰宅。隣のほそかわの看板がもげかけていたのが気になる。

このページについて..

2018年09月

に「ですぺら掲示板2.0」に投稿されたすべての記事です。新しいものから順番に並んでいます。

次のアーカイブ←:2018年10月

前のアーカイブ→:2018年08月

他にも多くの記事があります。
  • メインページ
  • アーカイブページ

  • も見てください。

    アーカイブ

    ケータイで見るなら...


    Google
    別ウィンドウ(orタブ)開きます。

    牛込櫻会館(掲示板1.0他)内
    ですぺらHP(掲示板2.0他)内
    Powered by
    Movable Type 3.34