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2007年08月 アーカイブ


2007年08月25日

ですぺら近況  | 一考   

 某誌から連載の依頼があって神保町まで出掛けた。断わりにくいひとの紹介だったもので、直接会いに行ったのである。そして店舗と自宅の保証人の依頼にT書店へ店主を訪ねた。久しぶりの古書店であり、ガタリ、フーコー、ドゥルーズ、ベケットの訳書を数冊購入した。今の私が興味を抱くのはそうした面倒かつ不親切、もしくは「極めて乱暴で荒々しい」書冊ばかりである。従って、前述の書物談義のような原稿依頼に応じられないのである。この場を借りてお詫びしておく。
 さて、ですぺらの新しい店舗である。来週月曜日夕刻に契約、火曜日早朝からスケルトンにもどす工事がはじまる。遅れていた理由はバックバーの造作を仕切ってくださる鉄工所が見付からなかったからである。こちらは戸田市内の鉄工所三十余軒を訪ね歩かされた。内装がはじまればクーラーや作業台などの備品を集めなければならない。この手のリサイクルショップはすでに大略見回ってい、実は明石焼きの鍋を購入済みである。ただ、五連装の大型なので店では用いられない。一鍋もしくは二鍋用のガス台が必要になる。開店には間に合わないが、いずれ明石焼きはメニューに加えたいと思っている。
 開店日時はまだ分からないが、動きはじめたことをご報告まで。


パイプ煙草  | 一考   

 煙草銭が食費を超えてしまった。そこで津原さんの意見を採り入れてパイプ煙草に切り換えた。十代の頃に使っていたパイプを探し出して利用、コンパニオンは某書店のKさんからのプレゼントになる。しかし四十年ぶりなので手持ちの知識が古すぎて役に立たない。従って葉も津原さんにご教示いただき、ボルクムリーフのモルトウィスキーを入手した。入手であって購ったのでない、こちらもKさんからの贈り物である。
 バーボンウィスキーの薔薇の花の香やヴァージニアやバーレー葉の軽いバニラ香は望むところだが、メープルシロップ、砂糖水、ラム、蜂蜜等の甘味成分の強いフレーバードやスウィートアロマの類いは昔から好みでない。約七十種類のパイプ煙草の勉強がこれからはじまる。問題は販売店で、池袋の東武か赤羽もしくは高田馬場の煙草店まで赴かなければならない。成増が近いのだが、そちらにはチェリーやチョコレート等の甘味成分の強いものしか置いてなかった。さきほどバイクで出掛けたのだが、ニューヨーク五番街で有名な「ナットシャーマン」のシガレットの他、買い物はなかった。
 パイプ煙草は口腔喫煙だが、私は紙巻き同様すべてを肺へ吸い込む。従って、一回の葉の使用量が少ない。それ故、ボウルの高さを低くしたスクワットベントのようなパイプが欲しくなった。店が落ち着けばオークションで中古品を探そうと思っている。

 葉は枯葉でありひとは枯骨である、共に火をつけると灰になる。煙草の存在は乾き切った諸行無常を示唆している。そして諸行無常は消滅への詠嘆であってはならない。「つくられたもの」と「つくられないもの」とを峻別し、無常の構造をより精緻に理論的に考察しなければならない。パイプへの考察といえば、ボズウェルやモルナアルを思い浮かべる。モルナアルはオー・ヘンリーにも似た辛口の作家である。そして私などは鈴木善太郎の「暗示」を連想する。しかし、そうしたはなしは若いひとに譲るとしよう、私の歳になると煙にむせるのが関の山である。


2007年08月07日

夏の風物  | 一考   

 このところ足繁く荒川河川敷へ行く。拙宅のすぐ横が彩湖で、道満グリーンパークが隣接する。そして四日は戸田橋の花火大会。かつてA子さんは戸田の花火が好きだったが、開催が土曜日なので私は行かれなかった。戸田へ転居後八年を経てはじめて「涙しとしとちりかかる」「銀と緑の孔雀玉」の饗宴のなかに身を置いた。Kさんから預かっている自転車の籠にビールを積んでのひとりぼっちの宴だった。
 煙火の業界用語でいう「座り」や「盆」はともかく、「消え口」の良くない花火が私のたっての好みである。すべての星が吹き消すようにふっと消え去ってしまうのは勘弁願いたい、「パッとしだれてちりかかる」余韻が堪えられないのである。「線香花火の一本の燃え方には、「序破急」があり「起承転結」があり、詩があり音楽がある」と著したのは寺田寅彦だが、その波のごとき呼吸が花火の魅力だと思っている。
 週末から来週にかけてはペルセウス座流星群が出現のピークを迎える。自転車の活躍がまだ続く。

 松友さんから問い合わせのあったですぺら新店だが、丸一箇月遅れの進陟に手を焼いている。明日夕契約のために赤坂と西麻布へ出掛けるが、開店が九月にずれ込むのは必至。これからは困窮生活に陥る。


2007年08月03日

置酒歓語  | 一考   

 持ち帰った酒の整理が済んだ。そして、次の店では常備しない種類の酒の処理を来客にお願いしている。要するに飲んでいただいているのだが、私は喪中につき相変わらず日本酒を嗜んでいる。
 このところ、立ち替り入れ替り若いひとが拙宅を訪れてくださる。若いひとのご意見は私にとって貴重である。先達ても川津さんが来られ、バッハの「すべては神とともにあり、神なきものは無し」を頂戴した。ヨハン・アントン・ミリウスの12節の詩に付曲せしもので、二〇〇五年の初録音と教わった。日本酒とバッハの相性が良いとは田村隆一さんの発見だが、なるほど安酒にそれなりの奥行きと深みを生じさせるから不思議である。
 六日夕には津原さんがいらっしゃる。彼との歓語を望まれる方は埼京線の戸田公園駅までお越しあれ、事前にご連絡いただければ小生が出迎えに参上いたします。

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