子持ちと飯持 | 一考
周さんが小樽の居酒屋でルッツとイイダコを食べたらしい。季節外れだが、いまでは年中食べられる。ルッツは今では札幌や小樽など都会で食べられるようになったが、わたしが北海道へ行っていた1990年代初頭は浜益周辺でしか食べられなかった。
イイダコの旬は12~3月。卵が米粒状をしていることから、イイダコは「飯蛸」と書く。卵をもった魚は「子持ち」だが、イイダコの場合は「いい持ち」と呼ぶ。明石と淡路島が著名な産地。北海道はミズダコの真子で、醤油漬けもしくはおでんで頂戴する。おでんには他にイカの白子、サケの白子、タチ(すけだち)、タツ(まだち)・カニ・ツブなどの海産物がある。
蛸の子に関しては、産卵前の子と産卵後の子について当掲示板で何度も書いている。産卵後の子は海藤華(かいとうげ)と云い、三大珍味のひとつと思っている。
周さんにとって飯蛸ははじめてだったようだが、子持ちの烏賊は東京で食していらっしゃるようである。子持ちで知られるのはケンサキイカとヤリイカ、どちらも似ているが、ケンサキは2本の触手が長いので、簡単に識別できる。共にアオリイカと並ぶ高級イカ、真子を持つのは春先。当掲示板で触れているシロイカは山陰で夏に獲れるケンサキイカのこと。
ヤリイカは毎年、春先になると産卵のため 陸に近づき定置網で水揚げされる。比較的小さ目の体に目一杯卵を抱いてい、焼くよりも煮付けがお薦め。