下血止まず | 一考
悪口になるので、だれが、どこで、と云うことは伏せる。
26日は予定外なので9時に診察がはじまるなり、真っ先に診てくださった。大略は戸田中央からの書類に記されている。サイトメガロウイルスの症状を詳しく述べた上で、消化器内科への紹介状をもらう。消化器内科でも待たされることなく、即刻泌尿器科同様の問診を繰り返す。
次の日の内視鏡検査が決まる。問題はここからである。
内視鏡自体は11.7ミリでなく13ミリを用いている。愕いたのは挿入と同時に空気が送り込まれてくる。セオリー通りなのだが、これでは憩室が多いわたしの大腸はたまったものでない。過去。15回の内視鏡検査をしているが、今回ほどの痛みははじめての経験である。憩室が破れるからと云っても無視、今日はここで中断してくれと云っても無視。揚句は他の医師が現れて身体を押さえつけ、腹部を強く押さえる。このような強引な診察もはじめての経験である。
血圧と脈搏がどんどん上がってくる。看護師に今度は血圧が急速に下がって危険になると注意を促す。10分毎の血圧を2分単位で計るように忠告する。案の定140の血圧が110、90、70と下がってくる。医師は大丈夫と云っていたが、なにが大丈夫なのだろうか。
看護師の危険ですの声に内視鏡の動きは一旦静止する。周章てて点滴のラインが採られるも、時既に遅し、わたしは吐き気に襲われた。典型的な失神コースである。完全に気を喪う寸前、内視鏡が抜かれたのを知った。
大腸から小腸へ少し這入ったところにサイトメガロの病変部がある。2箇所の生検を採り、ポリープを除去していたようだが、ポリープなどは何時でも取れる。痛みがある限界を超えると失神するのは分かりきったことでないのか。医師としての識見を疑う。
4日に生検の結果が出るが、二度とこの病院での内視鏡検査は断わる。空気を入れて腹部を膨らませるのはポリープを見逃さないための常套手段なのだが、現在の内視鏡はそのようにしなくても十分に観察できる。それよりも、痛みを軽減するために空気は極力入れないのが昨今の消化器内科医の常識であろう。
結果、肝心の下血は続いている。輸血を繰り返せとでも云うのかしら。