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会席   一考   

 

 玉子焼きが明石焼きになったのは明石名物を気取ってのことと思う。似たものであっても、東京ならば東京焼きとでも称するのかしら。玉子焼きにしろお好み焼きにしろ、東京の方がはるかに旨い。使っているタコも太東・大原産真蛸、明石のそれよりもずんと美味とわたしは思っている。山芋の粉やじん粉は疾うの昔から関東では用いている。久しぶりに明石へ戻って気付いたのは、明石は昔のまま、なんの深化もないのである。置き去りにされた街とでもいうべきか。

 昔「銀花」で日本道楽散歩・神戸篇を執筆した。その折に明石の人丸花壇と舞子ホテルにもご登場願った。両店舗共に、往時の会席料理は美事だった。わたしにいわせれば、明石で料理らしい料理を作っていたのは人丸花壇と来住だけだった。来住がなくなったのは残念だが、当時の明石のひとたちには来住の素晴らしい料理が理解できなかったというだけのこと。
 引っ越してから数件の割烹に出かけたが、わたしに云わせれば素人料理。非難するようなことは当掲示板では禁句だが、料理にせよ、酒全般とりわけ洋酒に関しては識見のないこと夥しい。明石や神戸でしか通用しない素人相手の商売人ばかりかと疑いたくもなる。もっとも客がそれを望むならそれはそれで致し方ないが。
 魚を下ろすだけなら河豚から鱧にいたるまで、わたしのような素人でも十分にできる。今までに河豚の200尾から300尾はばらしてきた。そしてテトロドトキシンでひとを殺めたことはない。嵐山吉兆の料理長からちりめん山椒の作り方を教わったが、わたしの作り方はまったく異なる。そちらはいろんな料理雑誌で執筆してきた。特に。赤坂時代、ゆくりなくも料理王国の編集長と親しくお付き合いさせていただいたのは楽しい思い出だった。わたしは料理がこよなく好きである。ただ、基礎をおろそかにした会席なら巷の牛丼で結構と思っている。


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2018年07月14日 03:56に投稿された記事のページです。

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