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立ち居振る舞い   一考   

 

 日曜日、寝具の洗濯と夏物への交換、ライダースーツの洗濯と交換、そして家中に散らばっている段ボールの除去と掃除に明け暮れた。1日では到底処理しきれないが、足下は若干片付いた。老人の一人暮らしはあっという間にゴミ屋敷になってしまう。有るときは書物に埋もれ、有るときはサイクルパーツに、また有るときはウイスキーが溢れ、ヤフオクで生計を立てるようになってからは段ボールの山である。ものを持つのがよろしくないのは分かっているが、そのものがあればこそ、発症してからの8年間、医療費と生活費と家賃がなんとか捻出できた。
 「見過ごすと危険、妻の無言は「怖い最後通告」」として「夫源病」なる病が多発しているそうな。わが国の亭主の身勝手さはわが身を振り返ればよく分かる。うまく行っているのは別居しているからに他ならない。一緒に暮らせば間違いなく一週間で最後通告を突きつけられるに違いない。一人暮らしは気の向かないことはしなくて済む。その代わり、炊事洗濯など家事万般は自分でするしかない。
 病気になってよく分かったのは明日のことは誰にも分からないということ。身体だけは自分で読み切られないのである。医師に云わせると3度死んでいるようだが、臓器移植の後も下血で死にかけている。その内2度は危篤ということで、女房子供共々、埼玉の病院へ呼び出されている。通常は危篤となれば死ぬのが当たり前なのだが、わたしは死ななかった。よほどの強運か悪運の持ち主なのであろう。二度とも輸血で命ながらえた。一度は21単位、一度は12単位の輸血である。2日に及ぶ輸血の後も身体はベッドに縛り付けられたまま、身体を動かせば看護師が駆けつける。センサーが取り付けられているのである。そして身体もベッドも排泄物で汚れてしまう。ひとは死に向き合ったときですら立ち居振る舞いには気を遣おうとする。立ち居振る舞いがままならないと分かっていても。


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2018年06月22日 02:34に投稿された記事のページです。

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