いそざかな「一とく」の店主がお客と連れだってこられた。名を日髙夏生さんといい、東大出の若い方である。明石ですぺらにとってモルトウイスキーの最初のお客さんである。店には69本のシングルモルトを置いているが、すでに3回転は飲まれている。ソムリエのような飲み方が気に入り、最初は50本からはじめたのだが、彼のためにスペイサイドを15種追加した。
東京の出だが、明石へ引っ越してから磯魚に嵌まったらしく、毎週土曜日には一とくで魚を食されている。先週はマナガツオとマトウダイのはなしになった。
俚諺に「西海にサケなし。東海にマナガツオなし」という。マナガツオは瀬戸内、マトウダイは日本海側でよく食べられる。マトウダイはフランス語で「サンピエール(Saint-pierre)」といい、ムニエルの定番である。マナガツオはさらに高級なフレンチで重宝され、元々関東では人気がなかったが、いまでは国内産超高級魚のひとつになってしまった。
写真は先週末、例によって近隣のスーパーで売っていたマナガツオ。スーパーで売られるような魚ではないのだが、なぜか安かった。値は580円。