明石ではかつてのマッカランのようなオロロソシェリーカスクによる厚化粧のウイスキーのみが持て囃される。そしてアイラモルトは嫌だという客が多い。なにを飲んだのか訊くと決まってラフロイグ10年だと云う。入手しやすいのが理由だろうが、ラフロイグ10年はもっとも安くもっとも拙いウイスキーである。クオーターカスクの方が遙かに旨い。おそらくバーテンダーが試飲せずに販売しているのが問題だと思う。
他方、みなさん口をそろえて昔のウイスキーは旨かったという。ですぺらのバックバーは14年前の古いボトラーズボトルばかりだが、現行のウイスキーでも旨いものはいくらでもある。バーボン樽を多用しはじめたボウモア、さまざまな樽を使いはじめたラフロイグやマッカラン、タリスカーはラベルが何度変わろうが、同じ香味を保っている。カーン・モアの6年ものノックドゥーも旨い。昔を懐かしむのでなく、酒屋で買えるものの中から美味なウイスキーを選ぶことにこそ、飲み手の鼻と舌の真価が試されるのである。
Whisky Magazine Japanの記事を転載する。
http://whiskymag.jp/landb2014/
6/24発売となった2つのアイラモルトのニューリリースをご紹介する
“アイラモルトの王者”ラフロイグ、 “アイラモルトの女王”ボウモア…2つのアイラ島の蒸溜所から、2アイテムが揃って登場した。
「ラフロイグ セレクトカスク」と「ボウモア スモールバッチ」である。どちらもノンエイジだが、その分エイジングに縛られることなく多種多様な原酒を使用できるという良さを十分に発揮し、これまでにないバランスとフレーバーを備えたボトルをつくり上げた。
「ラフロイグ セレクトカスク」は3タイプの樽で熟成させたモルト原酒(ペドロヒメネス・シェリー樽、ヨーロピアンオーク・シェリー樽、バーボン樽)をヴァッティングした後、さらにアメリカンオークの新樽で熟成するという、従来にはなかった新感覚。
スモーキーにシェリーの甘美がそよぐ。多彩な樽種での熟成モルトが織り成す重層感に、従来のラフロイグの香味イメージを超えたフルーティーさを見出すことができる。
「ボウモア スモールバッチ」はファーストフィルとセカンドフィルのバーボン樽で熟成させた原酒を使用。そもそもボウモアでは熟成の70%にバーボン樽を使用しているため、バーボン樽熟成の原酒は非常に豊富。その中から厳選しヴァッティングし、「この上なく幸せな結婚」をしたスモールバッチのボトルである。
香りはバニラファッジ、シーソルトとピートの煙、蜂蜜とシナモンが見事にバランスを取っている。味わいは口中を覆うようなシトラス感、穏やかな塩気とバニラ、かすかにココナッツ。フィニッシュにほのかなスモーク、バーボン由来のバニラとライムが心地良く、ソーダとの相性がよい。
どちらも定番商品として販売されるため、焦って買い求める必要はなさそうではあるが、アイラファンの方ならすぐにでも試してみたいと思われるだろう。コストパフォーマンスの高さもノンエイジならでは。アイラモルトの良さを詰め込んだ2つのニューリリースをぜひお試しいただければと思う。
商品概要
ラフロイグ セレクトカスク 700ml 40% 3,020円
ボウモア スモールバッチ 700ml 40% 3,490円