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サラ    一考

 

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 昨夜、危うく子猫を轢きそうになった。オートバイの前照灯は暗い、道の真ん中に子猫がうずくまっているのに気付いたときは既に急制動がかけられる距離ではなかった。思わず急ハンドルを切り、20センチほどの幅を残してやり過ごした。スラローム走行である。
 子猫がぴくりとも動かず、顔だけ上げてわたしを見ていたのは、なんらかの怪我を負っている証し。拾って帰り、傷だけでも治そうかと思ったが、わたしに生き物は禁物である。昔、明石の太寺から雪華社へ出向の折、飼っていた柴犬サラと多くの金魚をいろんなひとに委ねてきた。柴犬は新しい主人に馴染まず、宝塚の山奥に遺棄されたらしい。名の由来となったSarahは「自宅ではクッションを敷き詰めた棺桶で休んでいた」と伝えられる、拙宅のサラを最後まで看取られなかったのは無念、いまなお済まないことをしたと悔いている。それ以来、生き物は飼うまいとこころに刻み込んだ。
 生き物にとってひとは薄情である。昨今、老犬の介護施設が増えてきたと聞く。人間同様、認知症に罹った犬がホームへ追いやられるのは傷ましい。もっとも、傷を負った子猫を置き去りにするわたしこそ、もっとも薄情なのだが。


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2017年09月06日 19:38に投稿された記事のページです。

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