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白血病   一考   

 

 このところ白血病で喧しいが、わたしは友を白血病で喪った。横須賀功光さんである。抗がん剤治療はワンクール(和製英語)2箇月、それを何回か繰り返し行うのだが、治療中脱毛はつづく。髪の毛だけではなく、眉毛・まつ毛・鼻毛などの体毛全般に及ぶが、まつ毛がないと眼にごみが入りやすく、鼻毛がないと鼻の中が乾燥し粘膜がいたみやすくなる。化学療法だけならまだしも、骨髄移植になると大事である。

 拙宅の横は明石川である。近々市営住宅へ移るが、引っ越してきたとき、土手への坂が歩かれなかった。小学生が自転車で軽々と登っているにもかかわらず。さらに思い出すのは戸田中央で3箇月近く入院の折、はじめてトイレへ行く許可が出たのだが、立ち上がれないしまったく歩かれない、看護師に両脇を支えられてトイレへ行った。76キロの体重は51キロに、筋力は一切なくなってしまう。骨髄移植も同様、適度な運動をつづけることは可能だが、選手としての再起はほぼ不可能になる。
 骨髄バンクのドナー登録が増えているそうだが、数百乃至数万分の1の確率でしか一致しない。さらに移植希望者に適合者が見つかっても3割前後のドナーは拒否する。骨髄移植は生体間移植だが、膵臓・腎臓・眼球のような脳死による献体移植の場合は登録ドナーの家族の98パーセントが拒否する。そしてレシピエントは、抗癌剤と放射線照射で体中の白血病に侵された造血幹細胞を死滅させなければならない。浴びる放射線量は12,000mSv前後(体重によって異なる)と、50%致死量の3倍にもなる。
 わたしの場合は数次の輸血により抗体ができているため、急性期拒絶反応に悩まされ、ステロイドパルス療法などの強力な免疫抑制療法によって長期生着を得た。白血病の場合はなによりもまず白血球の血液型であるHLAが適合しなければならない。ABO式血液型が異なるドナーから骨髄移植を受けた場合、移植された造血幹細胞が血液を造り出すようになるため、最終的にはドナーと同じABO式血液型になる。また、血液細胞の染色体、DNAもドナー由来のものに変わる。いずれにせよ、合併症や後遺障害のリスクがすこぶる高い治療法である。当然、生涯にわたって免疫抑制剤を服用することになる。

追記
 臓器移植に違いはないのだが、造血幹細胞の場合は免疫抑制剤の服用は1年ほどで済むらしい。池江さんは急性白血病ゆえ、化学療法によって一時は治るだろうが、早晩、再発する。その場合は骨髄移植でなく臍帯血移植であってほしい。臍帯血移植については読売新聞社の池辺英俊さんの「白血病と闘う~政治部デスクの移植体験記」が詳しい。

 https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20151105-OYTEW55414/


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2019年02月15日 17:41に投稿された記事のページです。

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