先日著した「焼酎とシェリーカスク」 に以下を書き加えた。
樽の値も数万円から数十万円まで状態によって千差万別、よって香味のすぐれた焼酎はそれに相応しい樽を用いている。焼酎に限らないが、シェリー樽熟成に高い安いは云わない方がよろしいかと。
どうして書き加えたかと云うと、このところ原酒でなく、25度の加水焼酎を飲んでいる。ここで問題が生じる。原酒はシェリー樽貯蔵だが、加水された焼酎はそのままボトリングされる。否、そのままボトリングされている焼酎が多いように思う。ウィスキーだと加水後、もう一度樽へ戻す、水とウィスキーを馴染ませるためである。それを後熟という。後熟では水だけでなく、樽もプレーンな癖のないものを選ぶ。せっかく造ったウィスキーに妙な影響が出ては困るからである。
サントリーには「山崎蒸留所 梅酒樽後熟」とのウィスキーがある。この後熟が焼酎の場合あまりなされていないように思う。なぜなら、加水タイプの焼酎には香味が割れたものが多々見受けられるからである。
原酒が抜群に旨い焼酎メーカーの加水タイプが不味いとなれば、遣り切れなさを感じる。悪口は嫌なので、蒸留所名は臥せるが、もう少しの気配りを求めたい。
追記
焼酎は酒税法でアルコール度数の上限が決められている。連続式蒸留焼酎(甲類)で36度未満、単式蒸留焼酎(乙類)で46度未満である。唯一例外として与那国島の泡盛だけは60度のものが許可されている。焼酎は蒸留酒なのでアルコールはいくらでも高くなる、しかし、規定のアルコール度数を超えるとスピリッツ扱いになる。