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チンピラの目つき   一考   

 

 ブラックタイガー、バナメイエビ、シロエビなど、冷凍エビのサイズは1ポンド(453.6g)当りのエビの匹数で表示される。例えば16/20とか31/40と称し、1ポンドあたり16〜20匹もしくは31〜40匹となる。一尾の重さは16/20が22〜29グラム、31/40が11〜15グラムとなる。
 1961年エビの輸入自由化が始まった。その前年は625トンだった輸入量は一挙に4,000トンを超える。自由化と共に、堰を切ったかの如く63年1万トンを突破、65年には2万トンを超え、67年には4万トンを超える倍々ゲームが展開された。そして1973年には10万トンを突破しアメリカを抜き、世界一のエビ輸入国になった。その後1994年には30万トンを超え我々の食べるエビの99%は輸入品となった。
 他方、福原桜筋中村美容院の跡地に割烹「赤坂」が開店したのが1963年12月、その前年から隣のハイボールセンター百万弗で働いていたわたしは開店と同時に赤坂へ移った。エビの輸入ははじまっていたが、赤坂ではクルマエビを使っていた。
 このところ海老がずいぶんと話題になっている。ブラックタイガーをクルマエビと詐称したと云うのである。活けのブラックタイガーを十代の頃食したことがあるが、滅多に食べられない希少品で、まず流通していない。
 そもそも冷凍のブラックタイガーは安価なためエビフライ用に輸入された。給料が一万円の頃に鰻の蒲焼きは一万円、エビフライは2000円ほどしていた。そのエビフライがブラックタイガーだと一挙に300円にまで下がった。当時のはなしである。
 赤坂は活けふぐの店である。河豚にせよ、鰻にせよ、エビフライにせよ、高級品で庶民が食するようなものでなかった。要するに、自由化でもって食べられるようになった。
 味だが、鮨屋におけるエビの躍り食いのごとく刺身でない限り見分けはつかない。もっとも冷凍品を生で食べられないが。レッドキャビアととびっこ(ゴールデンキャビア)を識別できないような客がホテルのレストランへ行くこと自体おかしいのでないだろうか。

 阪急阪神ホテルズの社長は最初の記者会見ではおよそ詫びとは縁のない戦闘的な目つきで記者を睥睨していたが、二度目のそれは人が変わったような低姿勢、目をしょぼつかせ、まるで人生ではじめて味わった挫折に打ち拉がれている様子だった。

追記
 活車海老1尾20グラムぐらいのが400円、10尾使えばそれだけで4000円になる。中華料理店が冷凍輸入エビを用いるのは当り前。況して濃厚な中華味に芝エビや車エビの必要はまったくない。


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2013年10月29日 11:55に投稿された記事のページです。

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