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センチメンタル   一考   

 

 食欲がなく、今日はご飯150グラムにレトルトカレーだけである。明日の夕方まではこれでお仕舞い。ところが、一方で甘い物を好んで食べている、アイスクリームやアイスキャンデーの類いである。5本もしくは7本200円までの安価なものを毎日3.4本は食している。食事よりアイスの方がカロリーが高いのではあるまいか。このような食生活で体調のことを口にするのは憚られる。
 昔は酒をこよなく愛していた。そして飲むときは食べないのがわたしの不文律だった。「乗るなら飲むな 飲むなら乗るな」との自問自答の標語があるが、わたしの場合は「食べるなら飲むな 飲むなら食べるな」となる。元々酒が強い方ではない、従って飲んで食べるとほとんどの場合戻してしまう。それが嫌で、食べなくなってしまった。十代から二十代にかけて、山本六三と飲み歩いていたころも、わたしは冷や奴もしくは湯豆腐を一品、六さんは鯖のきずしもしくはイカの塩辛だけだった。それで、延々5.6時間飲み続けるのである。居酒屋にとっては迷惑な客だったに違いないが、わたしにとってはいまなお忘れがたい青春の一齣である。六さんもわたしもとにかく喋った。来る日も来る日もなにをあんなに喋ったのだろうか、憑かれたように詩について絵画について語り明かした。
 わたしはお喋りで、寂しがり屋で、感傷的である。本来は「多感」「風流」などの意味で、スターンの云う「洗練された感受性」であるセンチメンタリスムが大好きなのである。センチメンタルこそが多くの作品のおそらく唯一の苗床だと思っている。

追記
 他にもセンチメンタルに語り尽くしたひとがいらっしゃる。2006年03月03日に載せた「沙の上のラブレター」に顕れるY・Nさんとは永瀬由利子さんのこと。彼女とは1986年にミニヨン(ミニヨンへ岡田夏彦さんを尋ねたのは1974年、その時永瀬さんは既にミニヨンにいらした)で出会い、わたしの粗相というか不始末によって1995年に別れるまで兎にも角にも喋り倒した。次いで現れたのが横須賀功光さん、2002年2月8日から2003年1月14日までの僅か1年だったが、30年分は語り明かしたと思っている。消息は「残日を指折りかぞえて」(2016年04月10日)に詳しい。


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2017年05月18日 16:49に投稿された記事のページです。

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