戸田中央で全身麻酔の際、レスピレーターを用いた。国際的には肺換気を目的とする器械という意味でベンチレーター(人工換気器)と呼ぶのが正しいが,日本では以前からの習慣でレスピレーター(人工呼吸器)と呼んでいる。
レスピレーターを装着すると気道がカラカラに乾燥し、声が出なくなる。医師から何という無様な声といわれたが、事ほどさようにおかしい声になる。手術時と集中治療室で用いていたので4.5日は装着していたように記憶する。
手術時に限らず、小腸の内視鏡検査、大量下血による2度の非常時など肺にまで管を挿入する。気持ちのよいものでない。しかし、それによって慢性鼻炎が治ったのである。医師によると関係ないとのことだが、わたしに限っては治った。一日にティッシュペーパー1箱では足りず、ロールティッシュを用いていたのだが、それがピタリと止んだ。鼻炎の特効薬は肺にまで挿入する1本の管だと信じている。