ですぺら開店から4日目、はじめて空腹を感じ、445円の握り寿司を買ってくる。久しぶりの寿司、食事らしい食事に溜息をつく。
仕事はリハビリと思っているが、突然やってくる腸炎は困りものである。今回は腸炎だけだったが、腸炎を発症するとサイトメガロウイルスを併発する。そうなれば下血で悲鳴をあげることになる。これで2度死にかけている。
ひとの身体は、異物が這入ってきたときにそれを敵と見做して闘う免疫によって守られている。すなわち、臓器移植をするとその臓器を敵と見做して攻撃するのである。そこで免疫抑制剤を飲んで免疫を落として移植臓器を守るのである。臓器移植の歴史は免疫抑制剤開発の歴史でもある。ただし、移植臓器は守られるものの、他のウイルスや黴菌との戦闘能力も同時に失われる。
臓器移植者は無菌室で生活すべきなのだが、現実にはそうはいかない。生きていればこそ、さまざまな病気にかかる、その度に大騒ぎになるのである。
免疫抑制剤のおかげで、風邪のPL配合顆粒と整腸剤のミヤBMぐらいしか服用できる薬はない。整腸剤でも飲んで腸炎が自然に治るのを気長に待つとの著しく消極的な手立てしかない。それが2週間たっても完全に治癒しない理由である。
腸炎を治す方法はなく、発症に確たる理由なんぞあるわけもない。これは腸炎に限らない。敢えて申せば元凶は免疫抑制剤そのものなのである。