ですぺら開店はよいのだけれど、3箇月は客があるまいと覚悟していた。然るに、西明石時代のお客さんがひとり、ふたりといらっしゃるようになった。ありがたい話である。
妙な伝説のようなもの・・・昔々変な居酒屋があったそうな、ベルギービールが流行る前に50種のベルギービールを置き、芋焼酎がブームになる前に芋焼酎を置き、西明石ではじめてシングルモルトを、しかも20種類のスプリングバンクを置いていた居酒屋。
チョイスを楽しまれる居酒屋がわたしのモットー、すばわち努力目標である。どこそこで一番などというものを目指しているわけではない。ボトルの数ならコレクターにはかなわない。モルトウイスキーで若くて安くて旨いものを集めている。ここで云う旨いは蒸留所の個性が端的に顕れているものをさす。例えば、クライズデールやインプレッシヴのようなボトラーである。
おなじく焼酎である。月の中のように思いっきり芋くさいものかシェリーカスクで熟成させたウイスキーのような焼酎である。
ビールはわが国にはない生きた酵母の這入ったベルギービール、それも白ビールがよい。乾きものはもっかのところサービスである。チェーサーに炭酸を用いているが、こちらも無料。身体が落ち着けば、徐々にフードを作るつもりだが、はてさて何時になることやら。