戸田中央総合病院腎センターのセンター長は当間紘医師、彼は同時に戸田の名誉院長でもある。自転車好きで、当掲示板へも何度かご登場いただいている。その彼が日刊ゲンダイ(平成26年1月10日)の取材を受けている。新企画「この病院の看板診療科」の第一回「腎移植」である。
・・・慢性腎不全の治療法は腎移植と人工透析の二つに分けられる。水分や食事の制限をはじめ、1回3〜4時間の透析を週3回受けなければならない人工透析と異なり、腎移植を受けた患者さんは健康な人とほぼ変わらない生活が送られるようになる・・・なにより、人工透析の患者の5年生存率が60%、10年生存率36%、20年生存率16%にとどまるのに対し、腎移植のそれは95%、91%、82%に達するというから、かなりの違いだ・・・
同院は月2〜3件のペースで腎移植を実施、民間市中病院であるにもかかわらず、累計200件を超え、国内ベスト10に這入っている。日本の腎移植をリードする東京女子医大と密接な連携をとっているため、血液型不適合やリンパ球クロスマッチ陽性の患者の移植も手掛けている。
日本の腎移植の最大のネックは、夫婦や親兄弟などから腎臓を提供される生体腎移植が大半を占めること。地域の医療機関による腎移植の普及が、脳死移植などの献腎移植を増やすテコになる、とこれが当間さんの持論である。
私事に亙るが、わたしにとって鉄分の服用はかなり危険を伴う。移植腎の経過観察、免疫抑制剤の副作用、小腸の出血などに留意し、慎重に服用しなければならない。その治療にゴーサインを出したのは当間さんである。おかげで造血に成功し、入浴を楽しむことが可能になった。
追記
脳死下もしくは心臓停止後の献腎移植は1989年の261例を最高にその後は減り続けている。ちなみに、2002年は112例、2013年は130例だった。運転免許証の裏面には臓器提供の意思表示ができるようになっているが、わが国での理解は稀薄である。人口100万人あたりの臓器移植件数がウィキペディアに記載されているが、日本は先進諸国のなかで最も少ない。