アイドルとの言葉の誕生はもう少し前だが、一般に遣われるようになったのは70年代に這入ってからである。「スター誕生!」(1971年10月3日 - 1983年9月25日)で阿久悠と中村泰士がはじめて用いた、と中村泰士が後年述べている。それはさておき、昨日まで素人だった小中高の生徒にある日突然スポットが当てられるわけである。小中高生が目指す生業の一位にアイドルが君臨するのは已むを得ない。
往事、スターを目指した朱里エイコ、前野曜子、しばたはつみが思うほどに持て囃されなかったのは彼女たちの歌唱力が卓越していたからである。アイドルは根が素人であるがゆえ、適当に踊れて歌えて演じられれば良い。例えばモーニング娘は傑れたエンターテイナーだが、AKBは大島、板野を除いて素人集団である。その素人っぽさが、持て囃される唯一にして最大の理由である。
繰り返すが、疑似恋愛の対象にできる親近感こそがアイドルの真骨頂である、それ故アイドルに図抜けた才能は不用である。ハロー!プロジェクト(モーニング娘、Berryz工房、Buono!、℃-ute)とAKBグループはアイドル養成機関、それを除けばももいろクローバーZ(有安杏果のダンスは傑出している)、BABYMETAL、私立恵比寿中学、SUPER☆GiRLS、でんぱ組.inc、9nineぐらいなものであろうか。所属事務所の組織力が最終的にはものを云う。これまでアイドルに興味を持たなかったファン層を取り込むコンセプト‐アドが大切である。
わたしはアイドルよりもアングラ、安田南や山崎ハコが好みである。
追記
ダンス&ボーカルユニットのE-girls(Dream、Happiness、Flower)は外せない。ダンス技術の正確さと表現の美しさで他の追随を許さない。ちなみに、AKBグループではSDNが一頭地を抜いていたが敢えなく解散、歌やダンスの技術よりも若さが優先される。浮世風呂(ソープランド)で年増がいかにテクニックを駆使しようが10代の女性にはかなわない、それと同じである。