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嚥下障害   一考   

 

 わたしが入院した直後に誤嚥による窒息で緊急入院、気管切開した患者が隣のベッドへ這入った。喉周辺の筋肉や嚥下中枢(延髄)の機能が衰えた高齢者に多い事故で、屡々誤嚥性肺炎を招く。齢八十、上背があって顔付きが生田耕作によく似ている。
 今回は肺炎に罹らなかっただけ幸運なのだが、もっかお襁褓と尿管で排泄の処理をしている。毎日リハビリ療法士が入れ替わり立ち替わりやって来る。咀嚼筋と嚥下をうまく連動(咀嚼反射)させ、唾液を出させるべく治療が続いている。
 唾液腺のマッサージ方法には耳下腺、顎下腺、 舌下腺の三種があって、それらを刺激し、唾液の分泌を促す。詳しく書けば、耳朶の下を人差し指でぐるぐる押しながら回す、顎の骨の左右のエラから少し内側を親指で押しながら回す、顎の下(舌の根元)を親指で 押す、以上である。
 リハビリではなく、肝心の治療だが、食事にかける時間が短すぎるので常に厄介が生じている。医師は米粒が残っているとか副食をもっと小さくしろ、とか云っているが、そのような問題ではない。咀嚼反射はゆっくりと時間をかけなければ解決しない。自分のペースで食べることは誤嚥に限らず、各機能の低下防止にもつながる。

 ちなみに、誤嚥の場合、家でできる治療に「イマムラ IMG 吸引ノズル 」がある。市販されているほとんどの掃除機に接続可能である。高齢者がいる家庭に於ける必需品のひとつ。
 誤嚥しやすい食材として水、お茶、ジュース、汁物など、粘り気のないさらさらした飲みもの。ゆで卵、焼き芋、そぼろ類、焼き魚、ナッツ類、雪花菜など、湿り気がなく口の中でぱさつくもの。菎蒻、蒲鉾、海苔、若芽、餅など、うまく噛めないものや粘着力のあるもの。林檎、牛蒡など、硬いものや繊維質の多いもの。肉類など。
 誤嚥を防止するために、水物は葛や片栗粉でとろみをつける。ぱさつく食材は餡かけやゼリー寄せにする。肉や魚はテリーヌに、卵は卵豆腐になどの工夫が必要。しかし、生田似の御仁は家人の協力がどこまで得られるのであろうか。

追記
 嚥下(えんか)をえんげ、口腔(こうこう)をこうくうなど、医学での慣用読みは多い。禁飲禁食なども病院特有の用語である。


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2013年04月22日 21:27に投稿された記事のページです。

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