リゾットはパエリア、ビリヤニ、ピラフ、炊き込みご飯などと同類だが、水分を多めに造るのは自由である。沖縄料理のジューシーにはクファとヤファラーがあって、濃厚な味付けはともかく、後者は雑炊である。すなわちリゾットをジューシーに見立てることも可能である。
粥や雑炊ばかりも飽きる、そこで蕎麦雑炊に尋いで雑炊風リゾットを造ってみた。鍋でオリーブ・オイル(又はバター)を熱し、ニンニクの代わりに唐辛子、ポロネギの代わりに白ネギとタマネギを炒める。そこへ米と白ワインだが、代用品で酒を少々。野菜ブイヨンと米の3倍の水(適宜増量したが、通常は1.5倍から2倍 )を入れアルデンテになるまで煮込む。具材は茸、ハム、ソーセージ、魚介類。身体の都合でパルミジャーノ・レッジャーノもしくはパルメザンは除去。
茸はシイタケ、エノキタケ、シメジ類、ヒラタケ類、マイタケ、ナメコ、ツクリタケ(マッシュルーム)、エリンギ、ヤマブシタケ、ヒメマツタケ、フクロタケなど何でも良い。こちらは近所のスーパーで売っている茸を片端から扣えてきた。特にツクリタケはホワイト種、ブラウン種、オフホワイト種、ジャンボマッシュルームと揃っている。わたしの田舎の高田同様、千葉県習志野では戦前から、現在では香取市で多く栽培されている。要するに千葉はツクリタケの名産地のひとつである。
わたしは茸の同定には疎遠である。従って北海道で茸狩りの機会がなんどもあったが、いつも遠慮していた。今回はツクリタケと短く切ったエノキを用い、エンドウ豆、莢隠元、人参、赤茄子、ピーマン、セロリ、その他では小海老と烏賊を用いた。さらに薬味として茗荷を少々。
先日の蕎麦雑炊なら具材は人参、大根、椎茸、豆腐、油揚、菎蒻、牛蒡、青葱(渭東ねぎ)となるのだが。蕎麦雑炊は徳島だけの食べ物ではない、山形も同じく昔から蕎麦雑炊を食している。渭東ならぬ平田赤ねぎもしくは軟白ねぎということになろうか。
追記
近所のスーパーでさまざまな茸を売っていたので、あれこれ取り揃えて茸の天婦羅盛り合わせを造った。天婦羅では肉厚のあわび茸が知られるが、そちらは置いていない。その代わり、徳島の茸醤(きのこひしお)が売っていた。