東間医師と話し合い、貧血と低血圧とがまったくの別物と聞く。目から鱗とはこのこと、わたしは医学に関してあまりにも無知だと思う。簡単に書けば、貧血は血液中のヘモグロビン濃度が低くなった状態をいい、低血圧は最大血圧が100〜110mmHg以下の場合をいう、とあるが、100ぐらいなら普通だと思うが。わたしのそれは貧血で、度重なる失神のはなしをしたところ、医師も調べてみようとのこと。
東間医師は自転車好き、以前に著したようにイタリアのジオス、正確にはジョスに乗っている。1948年設立、本拠地はイタリアのトリノ。ちなみに、チネリはチネッリが、マジーはマージが正しい。
わたしが乗っていたマージは梅木英治さんに譲ったが、気に入りの自転車だった。もっとも好きだからこそ彼に譲った。往事のジオスの鋼材はコロンバス、マージの鋼材はレイノルズ531、違いはレイノルズの方が剛性が低く靭やか、一方コロンバスは剛性が高くハードな乗心地。
かつジオスの方がシートピラーが立っており、マージと比してフレームサイズがずんと短い。要はジオスが現代的、かつプロ向けの自転車ということになる。
その後、わたしはコロンバスを乗り継ぐが、やはり乗心地が堅く、やがてチタニウム、アルミニウム、ジェラルミンなどの柔らかい自転車に乗り換える。今では舶来でなく大阪のアラヤのアルミニウムのトリプルバテッドのフレームを自家用に持っている。理由は自分の体力の限界を知ったからで、プロの乗る自転車はわたし向けでないと悟ったからである。もっとも、それすら乗られなくなってしまった。
東間医師と自転車のはなしをはじめると、他の医師は呆れかえった顔でそそくさと退室、遊びの世界とはそういうものなのです。