レイアウトが崩れる方・右メニューが表示されない方: >>シンプル・レイアウトへ

« 貧血と失神 | メイン | 認知症 »

EDのことなど   一考   

 

 「貧血と失神」が一つのヒントになった。息が切れるようになり、階段を上られなくなり、走られなくなり、自転車に乗られなくなった。この8年、半年に1回は失神に襲われるようになった。糅てて加えて同時期にはじまったEDである。わたしの場合は自慰を含む勃起能力が完全に損われた、という書き方は好きでない。「御利生もいざりの立つははぜらしい(柳多留拾遺)」という、なまくらはぜになったとでも云っておこうか。
 これらの症状に通底するのが貧血である。さまざまな理由が考えられるが、腎不全による血圧の急激な変動、シャントによる血液の逆流、それらにわたしの血管が耐えられず、血圧と血管の管理能力双方に狂いが生じたのであるまいか。
 EDに関しては、かつて主治医と話し込んだことがある。透析の段階で勃起不能、射精不能になるケースが多いとか、もちろん結婚し子供を拵える透析患者もいて個体差は大きい。わたし自身は勃起しようが勃起しまいがそのようなことはどうでもよろしく、EDであるからと云って治療しようとは思わない。
 もっとも、わたしの場合の治療は一重に造血となるだろうが、これは問題点が多すぎて実現は困難である。慢性の貧血患者が云うようなことでないが、体重から推してヘモグロビンが13g/dlを超えれば勃起するのかもしれない。世の中には極度の貧血で性欲旺盛な吸血鬼と呼ばれる一族もあって、こちらの個体差も大きいようである。
 腎不全患者の場合、高血圧かつ糖尿病もしくは貧血のどちらかになるようだが、何年にも及ぶ貧血によって身体が徐々に馴染んでくる。ヘモグロビンが7g/dlから9g/dlぐらいなら平気で動き回るようである。その貧血の症状が現れやすいのは、酸素消費量の多い部位である。中枢神経(脳)、心筋、呼吸器(肺)、消化器(胃腸)、生殖器(卵巣)などがそれにあたる。わたしの場合は海綿体用の血液がまるで不足している。
 腎臓の病とは血の病である。血を拵え濾過するのが腎臓の為事、それゆえ腎臓が毀れれば血も毀れる。今回、息が切れる、失神、EDが一直線に結びついただけでも、わたしには十分納得が行く。

 腎不全は移植手術でお仕舞いではない。移植腎が十全に機能すれば健常者と変わらない生活が可能だが、拒絶反応や腎疾患の再発がある。さらに1度移植を受けると、例え移植腎が壊死し人工透析に戻っても、生涯免疫抑制剤を飲み続けなければならない。その免疫抑制剤には副作用や感染症に罹りやすくなるなどの致命的欠陥がある。拒否反応にばかり目が向けられがちだが、げに怖ろしきは感染症の増大。問題はそこにこそある。

追記
 先般2人の歌舞伎役者が亡くなったが、免疫抑制剤による感染症(肺炎)が直接の死因だった。免疫抑制剤を服用する者にとって、1度罹った感染症が根治することはない、体内に残存し出番をしぶとく窺っている。


←次の記事
「認知症」 
前の記事→
 「貧血と失神」

ですぺら掲示板2.0トップページへ戻る

このページについて...

2013年03月25日 02:53に投稿された記事のページです。

次の記事←
認知症

前の記事→
貧血と失神

他にも
  • メインページ
  • アーカイブページ

  • も見てください。

    アーカイブ

    ケータイで見るなら...


    Google
    別ウィンドウ(orタブ)開きます。

    牛込櫻会館(掲示板1.0他)内
    ですぺらHP(掲示板2.0他)内
    Powered by
    Movable Type 3.34