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魚のグローバル化   一考   

 

 「久しぶりの病院食、お浸しと魚の煮付けか甘酢煮の繰り返し」と書いた。今回は甘酢煮、酒蒸、照焼、みそ漬焼、中華風、ソテー、ホワイトソース添などと調法を記して肝心の魚名は記載がない。何時かこうなるのではないかと思っていたが、やはり魚名は消えた、どころか魚とすら書いていない。
 例えば、ベラは沖縄から関西まで食するが、東京は熱帯魚みたいとして水族館の人気者だが原則食さない。同じ伝で東南アジア産の魚を東京人は一切食べない、これは表皮を見たら食べないのであって、見なければ食している。歌舞伎好きが派手な魚を忌嫌うのはどのような理由によるものか。
 地域地域で食べる魚、食べない魚がある。ちなみに学校や病院の給食に用いる魚はベトナム、フィリピン、タイ、マレーシアなど東南アジア産がほとんどである。その理由は小骨に到るまで完全に取り除くところにある。これらは魚名を付けないのではなく、つけようにも付けられないのだと思う。地元の名称を用いても混乱するだけ、ならばいっそ「骨なし魚」とか「白身魚フライ」というような商品名の方が通りがよくなる。過日、鯵のフライを「骨なし魚」として売っていた。「骨抜魚」でなく「骨なし」である。どうやら一部の地域では骨がない新種の鯵が捕れているようである。
 その白身魚フライだが、メルルーサ、ティラピア、ナイルパーチに混じって、背の青い魚であっても、身が白ければ白身魚になるようで種目が入り乱れている。国民は混乱していないのだが、業界だけが混乱している。なんだか、アフリカの海や川には白身魚という魚がうようよ泳いでいそうである。もっとも、この白身魚昨今では太平洋から大西洋に至る世界の海(海に限らないが)で日本の商社が血眼になって追っかけている。のり弁当に使うのか、聞くところによると、クロマグロやミナミマグロのそれを上回る争奪戦のようである。
 それにしても、病院では意地を張っているのかと思うぐらい、煮魚がつづく。なかには不味いものがあって困惑させられるが、それも愛嬌。一切れ10円20円という値段で骨を抜いた魚が食べられる。この際、名称に拘らず、大いにグローバル化に肖ろうではないか。


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2012年10月20日 12:25に投稿された記事のページです。

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