病院から富士山が見えると聞かされて数箇月が経つ。今日はじめて富士山が見えた。見えたのは富士山、従って見えたからと云ってどうこういうことはない。多田智満子さんの娘の名は摩耶、神戸の加藤邸の裏山が摩耶山だが、摩耶との名はここからきた。こちらは名称が美しい。
富士山より、利尻富士や羊蹄山の方がわたしには馴染みが深い。図体以外、富士山に魅力はなにもない。どうしてあれが日本を代表する山なのか。尖閣諸島のおまけとして付けてやればよい。立派なおまけとして重宝されるに違いない。
国境ごときでなにを右往左往しているのか。今は間氷期、氷河に蔽われれば海も島も見定めがたくなる。同様に、氷河に蔽われれば温暖化によって破壊された筈の環境はどうなるのか。省エネは、原発はどうなるのだろうか。その原発が埋った氷河を国民総出で買い漁ろうと云うのかしら。部署部署で、氷の味でも違うのかしら。否、人は生きているのかしら。もし、死に絶えでもしていたら、地球はそれこそ美しいに違いない。