今回の入院ではじめての外泊だったが、クレアチニンは2.0に跳ね上がった。これは絶望的な数値である。風呂だけは這入ったが、忙しくて水分を摂る暇がほとんどなく、食事もまったく摂らなかった。それが禍いした。いまからでは遅いが、せっせと水分の補給に努めている。脱水状態を確認するに、腎臓だけでなく、胃袋までエコー検査で調べられた。これで当分は閉門蟄居、外出すらかなわなくなった。
わたしのドライウェイトは65キロ。その体重が術後65キロから57キロへと減り、今回の入院で68.5キロへと増えた。現在は66キロをわずかに切る。何度も書いたように体重は二次的なもので、免疫抑制剤によってどうにでもなる。しかし、ドライウェイトよりも低いが良いに決まっている、
あと二、三日でドライウェイトを切るのは間違いない。拙宅の食事ならさらに早い段階で切るのだが、病院食だと食べる量まで管理が行き届いているのでそうそう痩せはしない。
さて、このような体重の管理、細かな血液検査(血液検査は2000項目から10000項目まであって、一時間で識別可能な検査から二週間ほどかかるものまでさまざま)に興味が失せてきた。透析時代、体重管理のために一切外食はせず、内容にも徹底した制限を自ら設けた。それは各週の血液検査の折、ざまあみろと自分に言い聞かせる楽しみがあったのである。ところが、今や体重は免疫抑制剤で勝手に上下し、クレアチニンも食べ物による規制を外れたところで動いている。自分で制禦できないものに、人は興味を抱かれない。
体重に限らない、腹回りから無精ひげに到るまで、個々人々それぞれのダンディズムがある。今日、看護師から以前の入院のことを思えば太りましたねえ。例え病人であろうとも、いやはや豚のようには太りたくない、とただそれだけ。