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縫合術   一考   

 

 皮膚の最表層は表皮とよばれる層状の上皮であり、その下にある真皮は主として丈夫な結合組織からなり、そのために皮膚は外力によって容易にちぎれなくなっている。真皮の下の皮下組織は主として脂肪組織からなり、栄養による変動を受けやすい。
 さて手術の際、真皮を縫合する、そして表皮に接着剤(ボンド)を用いる。縫合された部位は表皮に蔽われるため傷口の穢らわしさは隠蔽される。ひとによっては傷口が消えてしまうようなことすらあると聞く。科にもよるが、大旨十年ほどまえから伝搬普及した手術法だそうである。
 昔の縫合は非道かった。縫い合わせた左右に段差が生じ、あまつさえ肉片がぎざぎざにぶら下がり、女性は整形手術を繰り返すのが常だった。わたしの世代は肺結核が多く、かかる疵痕をしばしば目撃した。もっとも、わたしは元来この疵というのが好きで、逆に心身共に疵を持たない人間にはいささかの興味も抱かなかった。


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2012年10月11日 16:17に投稿された記事のページです。

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