このところ遺憾の意が日中のあいだを飛び交っている。遺憾の意を表するとは便利な言葉であって、自分の言動を釈明して詫びる場合にも、相手の言動に対して非難の気持ちを表す場合にも用いる。もっとも政治家が詫びることはなく、実体は非難の応酬に過ぎない。
詫びない政治家の典型が野田首相だが、野田は胡錦濤を虚仮にした。世界最大の人口を擁する国家の主席である、怒るのは当たり前。野田が云う国民は野田を信奉する国民に限られる。信奉しないとは非国民に過ぎない。野田が云う政治家は野田に付き随う政治家に限られる。ノーサイドを表明したにもかかわらず、追従しない政治家は70人まとめて首にする。野田は日本国の宰相であって、1949年に成立した中国ごとき新興国の胡錦濤から表敬を受けこそすれ、なんでこちらから挨拶する必要があろうかと思っているに違いない。
先般の民主党党大会で67パーセントの支持を得て圧勝。輿石に続投を依頼、前評判は岡田だったようだが、岡田が幹事長だと民主党は総選挙を待たずに瓦解する。民主党を割った張本人は野田、岡田の二名。