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カラオケ   一考   

 

 宇野邦一さんとカラオケへ何度か行く。彼のお得意は井上陽水で、歌唱力はたいしたものである。それは良いのだが、好きな唄に共通項がほとんどない。学生時代歌いに行くとの癖はなかったのかしらと質問され困惑。素天堂さんとなら趣味は類似しているのだがと思う。年齢差は僅かであっても歌う唄は大きく異なる。またわたしには学生時代なる経験がまったくない。
 それにしても、子供の頃は近所のゲイバーで歌ってばかりいた。二葉あき子「夜のプラットホーム」、奈良光枝「赤い靴のタンゴ」、服部富子「思ひ出のユーモレスク」、山口淑子「暗い部屋」、灰田勝彦「恋はバラの花か」、松島詩子「追憶」、淡谷のり子「夜のタンゴ」など当時の愛唱唄は枚挙のいとまがない。昭和二十年代の唄ならほとんど歌えるのでないだろうか。おそらくわたしの特技の一つに違いない。

 昨今のゲームセンターは老人で一杯である。同じくカラオケバー(ボックスではない)も老人で濫れている。一曲百円で男女を問わず、寂しさを紛らしに老人が集まってくる。おそらくこれからの商売はシングルモルトでなくカラオケである。もうかりはしないが、死ぬまでの暇つぶしにはなる。


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2012年08月01日 09:24に投稿された記事のページです。

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