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発症と寿命   一考   

 

 かねてより、血圧が狂うので柑橘類は法度である。特にグレープフルーツ、八朔、朱欒、スウィーティはよろしくない。今回は免疫抑制剤の血中濃度が変動(高くなる)するので控えなければならない。腎不全の患者にフルーツはどのみち禁止なので同じこと。

 透析治療の歴史については前回入院したときに何度か書いた。移植については腎不全に罹ったときに書いたきりである。死体からの移植ならともかく、生体間移植はどこか後ろめたい。ドナーにとっては健康な身体に疵を負わされるだけであって、プラスはなにもない。立場が逆だったらとそればかりを考える。
 団鬼六が腎不全で亡くなったが、身内やファンで腎臓提供を申し出るひとはいなかったのかしら。彼は三日に一回昏倒するようになってから透析治療に這入ったと聞く。透析患者はみなそうなのだが、辛抱に辛抱を重ね、これ以上ないというところまで我慢する。巷間で噂される透析治療に慴れを抱くのである。わたしも毎週昏睡状態に陥るようになってからシャントを造った。
 透析治療は発症からあとの寿命が約半分になると思えば間違いない。若くして発症すれば余命は長いし、老いて発症すれば短い。二十歳で発症すれば三十年は生きるだろうが、五十歳で発症すれば六十歳まで生きるのが難しい。前述の半分が長いか短いかはひとによって異なる。そして不可逆な疾ゆえ、捨て置けば二週間ほどで死ぬ。透析患者にとって一番の気掛かりは、あと何年生きられるかだと思う。透析患者とその寿命を引用して以来、当掲示板の検索項目ナンバー1である。(7月10日)


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2012年07月29日 19:44に投稿された記事のページです。

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