昔、神戸の新開地に三角公園という小さなバスターミナルがあった。ロマン座と称する映画館があって、鞄を持った女、太陽がいっぱい、狂っちゃいねえぜ、いとこ同士、ヘッドライトなどの古いフランス映画ヤ西部劇を三本立てで上映していた。往時、新開地にはエデン、歌舞伎、リリック、他にも歌舞伎の向かえに一休というアーモンドをおまけに付けた喫茶店などもあった。
リリックについて書くに季村敏夫さんに事前に問い合わせをすべきだったと反省している。「新開地の洋酒スタンド。昭和三十四(一九五九)年七月十二日、伊勢田史郎の第二詩集『幻影とともに』の出版記念会を開く。君本昌久らが雑誌『蜘蛛』を創刊するまで、ここで何度も打ち合わせをする」と季村さんは書いておられる。
そのリリックの田中さんと福永を結びつけたのはわたしの軽率さ以外のなにものでもなく、娘さんには慎に申し訳のないことを致しました。深くお詫び申し上げます。
追記
ニャル子とはいずこの娘かと思いきや。一月に及ぶ入院のため、造作をお掛けいたしました。