同室の三人が入院し、ふたりが戻ってきた。一週間もしないうちにひとりが再入院し、別の患者が入院した。わたしのまわりは空きベッドが増えつづけている。みなさん心臓の弁に異常が生じている。血管の石灰化と共に、透析患者ならではの持病と云うべきか。そうして帰らない患者もいるのだが、誰もそのことを話題にしない。
去年は無計画停電とやらで困惑させられた。今年は関西が計画停電に追い込まれそうである。電気と水がなければ透析はできない。水にしても水道水をそのまま使っているわけではない。各クリニックやサテライトでしかるべき濾過器を通している。血液を吸いだしそして体内へ戻すポンプはおろか、電気がなければ水すらままならないのである。計画的であろうがなかろうが、人工呼吸器や透析機器を用いる患者にとって停電は最大の不条理である。