粥とは炊き粥のことだが、病院では面倒なので入れ粥が出てくる。炊き粥は生米から炊き、入れ粥は米でなく飯から作る。
通常の粥とは汁粥のことだが、全粥(米の5倍量の水で炊く)、七分粥(米の7倍量の水で炊く)、五分粥(米の10倍量の水で炊く)、三分粥(米の20倍量の水で炊く)に分かれる。
わたしがポリープを除去した際は最初三分粥、次ぎに五分粥だった。拙宅に戻ってからも一日は粥を、次日は雑炊を食した。ところが、女房の手術の場合は粥は出ず、のっけから普通食だった。医師に確認したところ、粥である必要はどこにもないとのこと。わたしは透析食なので、普通食なるものの中身を知らないが、想像するは易い。
粥の従兄弟とでも云うべき雑炊はおじやとも云い、スペイン語の「鍋料理」を意味するオジャ(olla)に由来する。又従兄弟にリゾットやクッパがある。韓国のクッパと日本の焼肉店のクッパには大きな違い(韓国のクッパはスープとお菜と飯がセットで供される)があって共に入れ粥だが、リゾットはその製法から云って炊き粥になる。
余談はさておき、病院食では普通食より三分粥の方が特別食といって値が高い、どう考えても可笑しいが、栄養士の思慮と手間賃が加算されるようである。リゾットやクッパにはインスタントの素があるが、粥はオリジナルの料理であるそうな。