久しぶりの水元公園、雰囲気がまるで違っている。種目は分からないが、浮寝鳥が随分と増えている。小合溜はどろんとした鉛色の塊のよう、水鳥は北端にたむろして翔ぶでなく、泳ぐでもなくじっとしている。水面を窺う限り、寂しい光景である。
昔、蘭鋳を飼っていた頃もそうだった。薄い氷の下、池の底に腹を付けて金魚は動かない。やがてくる産卵の季節を目差して体力を温存する。なにもかもが静止している。
先日、エロ子さんから電話があって、六十五歳の誕生日だとか。そう云えば、失念していた。寒さのせいか、わたしも静止しているようである。