戸田中央での検査はすべて終了、問題は出なかったようである。最後に肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンの確認、謂わば書類審査である。月曜日の午前中に退院。土曜日は主治医とゆっくり話し込んだ。ドライウェイトを上げるとは聞いていたが、一挙に800グラムも上げたようである。考えられない数値である。現在の心胸比が3.9、800上げて4.2。心電図、エコー共に良好、透析患者にあるまじき心臓だと云われた。
念のために書いておくと、5.0以下が正常値で数値が小さいほど良好とされる。医師はなにかしらスポーツをしてたのかと訊く、登山とサイクリングかなと応える。この雑談のなかで気付かされたことがあった。
小、中学生の頃、摩耶山や六甲山を走り回っていたが、わたしは極端に水を飲まなかった。これは自分に敢えて課した試練のようなもので、当時のスポーツ選手は皆さん水を飲まなかった。医師によると、それが結石になりやすい体質を造った、と。移植に成功した折は極力水を飲むようにとの注意を受けた。こんなところに病の伏線があったのかと愕く。
食事制限でかなりの筋肉が失われた。食事制限とは要するに水分の制限なのだが、それが引き金となって筋肉が水分に分解されたようである。ドライウェイトを守るための食事制限との概念を戸田中央の医師ははじめて理解してくれた。間違えているが、結果的に正しかった、と。
除水が2000を超えると失神の可能性がでてくる。それを防ぐための逆算なのだが、過去、理解を得るには至らなかった。例えば、もう少し食べたいので、ドライウェイトを500ほど上げてもらえないかなどと云おうものなら、きついお叱りか無視されたものだった。または体重が増えると水の飲み過ぎで片付けられた。きちっと栄養はとって、しっかり食べるものです、と云われ続けてきたのである。
食事が筋肉になるひとと、肥満になるタイプとがあってその辺りを丼勘定していませんか、がわたしの言い分である。わたしが云う体重制限はダイエットと同じで、肥満タイプはそれなりの覚悟が必要である。飲食を共々計量し尽くして当たらなければ、ドライウェイトなど守られるものでない。況や、移植をすれば生涯ステロイドを飲み続けなければならない。太るのは目に見えている。十キロ、二十キロと増加する例もざらである。移植以降はさらなる体重管理が必要となる。(1月22日12時)
追記
退院後、東葛クリニックでドライウェイトをさらに200上げて64キロに修正、心胸比が4.38となった。