ニューヨーク特にマンハッタンは全米で医療費がもっとも高いようだが、ハワイは比較的安い。透析費用は一回あたり580ドル、個人の申し込みだと670ドル。わが国は一回あたり43000円だから、さほど変わらない。ただし、薬価は、
EPOGEN $75/1000U
Ferrlect $56.90/12.5mg
Zemplar $40/2mcg
となってこちらは結構高価である。
上から遺伝子組み換えエリスロポエチン (EPO) 製剤のエポジェン。
ferrlecitは造血薬、グルコン酸第二鉄ナトリウムと同じ。
Zemplarはパリカルシトールと同じ。
パリカルシトールは腎不全患者の副甲状腺機能亢進の治療に使用されている物質。がん治療の分野で研究されている。パリカルシトールはビタミンdアナログという種類の薬物である。
上記は「医療費」で日本の薬価は高いと書いたので、その逆を調べたまで。
現在、新薬を開発する能力を持つのはアメリカ、ドイツ、スイスと日本ぐらいなもの。先般、震災の影響で某薬剤が手に這入らなくなった。原産国のアメリカより、ジェネリック(でないと自称している)の国産が高いとはどういうことよと耳を疑った。
先発品と後発品は副剤が異なる。なかには副剤が異なるがゆえに後発品(ジェネリック)でないとする薬剤もあって、わたしのような素人には識別がつかない。薬価にはお国柄がありそうで、比較して高いの安いのといろいろである。
いずれにせよ、わが国の安価な医療費は人件費、要するに医師、看護師、技師らの薄給によって支えられている。それと比して心臓ペースメーカー、PTCAカテーテル、人工関節等々の機器の価格は欧米の2〜4倍以上、ものによっては十倍近い機器もある。
追記
文芸書は安価だが、医学書は下手な限定版より値が高い、医師の書物代は給料の十倍は掛かると云われる。勉学に勤しむ医師にとっては痛い出費である。同情を禁じ得ない。(1月15日20時)