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曜日   一考   

 

 わたしは火、木、土と透析治療を受けている。と云うことは月、水、金のグループがある。曜日は面白いもので、前者と後者または朝の部、準夜の部、夜の部と患者の相貌がまったく異なる。人気は月、水、金の朝の部に集中している、そして重篤な患者が多い。半分は車椅子である。正反対なのが火、木、土の準夜と夜の部で、働いている方が比較的多い。
 本院で透析を受けたのははじめてだが、ぴくりとも動かれない方が数人いた。ベッドに乗せて運び、ベッドで去ってゆく。まるでグラックかジャコメッティーのごとく、十代の時の暗さをそのままに生きている。
 治療と云い、治療食という。治療とは病気やけがをなおすことであり、治療食も疾病の軽減、健康回復のための食事となっている。ところが、世の中には癒らない病がある。肝硬変などもそうだが、不可逆な病は多い。治療と称しているがそれは名ばかり、死に向かっての行進で、前述の暗さはそこに由来する。ちなみに、東葛クリニックで昨年一年間に亡くなられた患者数は八十五名。ほぼ四日に一人、櫛の歯を挽くように仲間は喪われてゆく。さまざまな事情があってそれ以上のことは書かれない。黙祷。

追記
 今日からいつもの透析部屋へ戻った。相変わらずの修羅場である。命懸けの透析が繰り返されている。他人事ながら涙が落ちる。それ故、口癖のように死にたいと洩らす女性をわたしは憎悪する。死にたいなら死ねばよい、なにを遠慮することがあろうか。死との概念を玩具にすることをわたしは許せない、許さない。


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2011年12月17日 16:02に投稿された記事のページです。

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