日曜日にはじめて公園へ行く。日曜、祭日は金魚展示場と隣接する釣仙郷歴史館が開いている。さまざまな金魚がいたが、わたしが興味があるのは蘭鋳。肉瘤の形から見て京都系列の蘭鋳もいて久しぶりに楽しませて頂いた。関西にはいない蘭鋳、もしくは品評会へ出品されないような種類の蘭鋳もいた。青色、黒色に透明なうろこを混じえた東錦のような蘭鋳も泳いでいたが、あれはどこの系列なのだろうか、まるでぶち猫である。品評会の蘭鋳は赤色と白色との斑紋と決まっている。
飼育法は全国共通、コンクリート製で二メートル四方、深さは三十センチほど。まったく異なるのは井戸水をちょろちょろと出しっぱなしにしている点。いかに微量といえ、水に流れが生じるので蘭鋳には不向きである。流れがあると泳ぎ方に妙な癖が生じる。癖があるとどうしても尾の形に歪みが出てくる。
三十面ほどあったが、藻を除去しているのは二面のみ、他の池は藻が繁殖して金魚がよく見えない。これも蘭鋳にはよろしくない。色づけを良くするために青粉(藍藻類クロオコックス目の微小な淡水藻)を与えることもあるが、それは真夏。冬場は水を深くして藻の掃除も休止するが、それは十二月になってからのはなし。陽当たりのよい池なので、まだ掃除はすべきである。
年間の育て方を通して見ていないので何とも云えないが、少なくとも品評会向けの育て方ではない。大型の蘭鋳が三匹だけ這入っている池があったが、そのうちの二匹は立派な蘭鋳で、尾の付け根の形が結構、親として使うに最適である。一番小さな蘭鋳について飼育人に「三歳魚ですか」と質問。「五年は経ています」との応えに口あんぐり、五歳でこの大きさなら栄養失調である。藻しか食べていないのでないだろうか。金魚は人間ではない、十二分に餌は与えるべきである。