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具体性   一考   

 

 午後の参院予算委における佐藤ゆかり議員が奮っていた。はなしの内容が具体的で野田では太刀打ちできない。佐藤はISDS条項によって国内法が歪められると指摘、ところが野田は国内法を優先させるとの繰り返し。佐藤の云っている方が正論である。質疑はなんども中断した。
 ISDS条項は一種の治外法権で国内法に優先される。条例に則って諸務を施行するのは地方自治体だが告訴されるのは国家、国家が地方自治体をマネージメントするのはわが国では不可能。TPP反対にせよ賛成にせよ、はじめて具体的かつ説得力のある意見を聞かされた。
 佐藤は云う。TPPに参加表明をしたところで、アメリカの議会で認可されるのに三箇月、参加の協議がはじまるのは早くとも半年後、その時点ではかくかくしかじかの条件を択一するしかない。鳩首そのものへの参加は到底無理である。
 沖縄でサトウキビしか栽培できないからといって、助成金などの保護を与えれば、そのこと自体が非関税障壁として告訴の対象になる。その辺りの処方箋を野田から聞きたいのだが、何等かの援助もしくは今後の交渉でと返事にならない返事を繰り返す。
 日本の薬は大半がゼネリック医薬品、知的財産条項によって薬価の高騰は避けられない、と佐藤。新薬の開発には九〜十七年の年月と、約五百億円もの投資が必要といわれる。臨床試験などのさまざまな試験のあとも、数々の審査や承認申請するための手続きがあり、しかも新薬として承認される成功率はわずか1/15000以下である。それら開発費を端折った後発品が安いのは当たり前。日本では認められていないが、手術における個々の技術にも著作権はある。謂わば、薬価を含む医学そのものが著作権無視のうえに成り立っている。日本の規制によって、今ではシンガポールとマレーシアがアジア全体の医薬品のセンターになっている。TPPの是非に関らず、改革は一刻を争う。
 繰り返すが、非関税障壁はことごとくが告訴の対象になる。とすれば、TPPは単なる通商条約でない。社会構造そのものに変化をもたらす条約である。このISDS条項はニュージーランドで激論になっている。個別の経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)を進めるべきでないかというのが佐藤の意見だった。
 仰言るとおりなのだが、そのEPAやFTAが国内の既得権者の妨害によってまったく進捗しないのが実情でないだろうか。わが国の保守主義者を相手にするには強制的な方法しか残されていないように思う。同じ女性であっても佐藤と比して小宮山大臣のだらしなさはなんだろうか。政治は抽象論だけではない。具体性を内包しないと国民には理解できない。


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2011年11月11日 18:36に投稿された記事のページです。

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