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療養型病床群   一考   

 

 先日「入院」を書いたが、長期入院の問題は難解で複雑な診療報酬制度の代表的な存在でないだろうか。わたしが通うクリニックは「療養型病床群」の認可は受けていないが、患者は90日を超えて入院している。透析患者は90日規制から除外されているが、病院が赤字であることに違いはない。透析患者の長期療養先を確保するのは、都道府県全域(場合によっては近県)まで対象エリアを拡大しても難しい。余談だが、先日書いた理由のなかで最も多いのは「家族に見棄てられた者」らしい。
 それはさておき、診療と医療機器をセットで輸出するなら、序でに皆保険制度も併せるべきでないだろうか。TPPが巻き起こした問題のひとつに皆保険の瓦解を云々するひとがいるが、わが国の保険制度がなくなる理由はどこにもない。ニュージーランドは保険診療に関しては交渉の舞台にすらあげさせないと明言している。そして保険診療と混合医療とはなんの関係もな。ちなみに、わたしは混合医療に賛成である。
 基本的診療は保険対応にすべきだが、なかには一人の患者に複数の看護師が付き切りで担当するところもある。千葉から九州まで高級ホテルをイメージしたとんでもない病院はいくらでもある。全室保険診療に未対応で、一泊二十万、三十万といった部屋ばかり設えた病院もある。歯医者のなかには端から保険診療を断わるところもある。貧乏人と金持ちが同一の診療を受けなければならない理由はどこにもない。
 前述のはなしだが、病院をまるごと輸出するなら、保険制度がないのは関税障害であるとしてISDS条項に則って告訴する。それでこそ、相手国の民に感謝される。TPPに具合の悪いところがあれば、それを自ら積極的に改善してゆく、そうでなければ一握りの政治家や高級官僚専用の病院になってしまう。 TPPの善し悪しを口にする前に、一寸立ち止まって考えて頂きたい。現状維持はひとが選択する最悪の方策でないだろうか。


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2011年11月11日 11:29に投稿された記事のページです。

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