タイもそうだが、日本にあっても水害の折、車やオートバイが水に浸かりながら走っている。通常の車は先端に空気取り入れ口がある。エアクリーナから水を吸い込んでしまえばエンジンはロックする。もしくはラジエーターファンが水を巻き上げ、エンジンルームが濡れればエンストする。共に再生はほぼ不可能である。それでなくても、水を被れば電装関係が駄目になる。ベンツやBMWの新品と見まがうばかりの車が四、五万円で売られているのは往々にして水没乃至冠水車である。
オートマ車ではトランスミッションに水が入るとバックギアから順次不調になる。またオートマ車はローギアでエンジンを吹かし気味にして走行することが肝要である。間違えてもDレンジで走行してはならない。ホイールベアリングなどの回転部分にはシールがあるが、浸かっている期間が長いと水が浸入する。
この消息は二輪でも同じである。オートバイは座席の下に空気取り入れ口がある。エンジンロックでないまでも、電装の取り替えは新車を買うのと同じぐらいの費用がかかる。また自転車の場合、BB(ボトムブラケット)、ペダル、ハブ、スプロケット、ディレイラーなどの回転部分に浸水すれば、錆び付いて動かなくなる。膝や腰まで水に浸かりながら自転車を押している図をよく見掛けるが、後々どうする積りなのかと思う。
いずれにせよ、車やオートバイならラジエーター下端もしくはマフラー位置が冠水道路走行の基準となり。自転車ならさらに低く5センチほどが限界になる。