右側下部の歯石除去、次回からは歯の根っ子の歯石除去のようである。あまり気が進まないが、捨て置くと歯周病〈歯槽膿漏〉になるようである。医学用語で云えば、スケーリングが済んでこれからはルートプレーニングになる。しかし、歯周病になるまでわたしは生きていない。
それよりも、驚かされたのはわたしの歯石は過去体験した治療のなかでもっとも硬かったそうである。そして歯石の硬いひとは身体に石が出来やすいらしく、医師から胆石のはなしを何度も聞かされた。透析治療を受けていることは最初に伝えたが、透析に至った理由は述べていない。通常だと糖尿を思い浮かべる筈である。腎結石が腎不全の理由だと応えたところ、歯を触れば諒解できると一言。
腎結石に関しては十数度の体外衝撃波治療を受けたが石は割れず、流れもしなかった。よほど堅牢な石だったようである。 この衝撃波は本来は潜水艦攻撃の兵器として考案されたが実用化に至らず、医療機器に応用され成功したもの。
昨夜、偶然歯科医師がいらした。貧乏作家や編輯者を多く治療している、その世界では識られた医師である。ちらと見ただけで、一考さんの歯は頑健だと云われた。歯が丈夫かどうかはそのひとの体躯と大きく関係する、頑丈そうな骨組みであると。
病人を掴まえて頑健もないものだが、透析に至った理由のひとつが氷解した。