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粘り腰   一考   

 

 「これは何なのか、見たことのない光景だ」西岡武夫が菅首相の意外な粘り腰について語った言葉である。辛坊治郎が「週刊朝日」で「発言する西岡参議院議長」について糞味噌に書いていた。参議院議長としての権威を貶めるとか議長としての中立性うんぬんだが、いずれにせよ、同氏の型破りの姿勢を揶揄してのはなしである。その西岡は尖閣問題や原発問題に対する政府の責任放棄を痛烈に非難する(ニコニコ生放送「山本一太の直滑降ストリーム」)。
 菅総理は一旦は「辞める」「退陣する」というニュアンスを醸し出して、不信任決議案に賛成しようと思っていた人たちを反対に回したとあるが、菅首相はニュアンスを匂わせただけで、辞めるとは一言も云っていない。わたしはそれを「取りも直さず菅首相の作戦勝ちである」と書いた。不見識と云えばそれまでだが、復興基本法も自民党と公明党の案を丸呑み、今回は「1.5次補正」を、さらには内角改造までも口にしだした。
 一昨夜幹郎さんと話していて、菅は総理の座にあって市民運動を、政治家を相手に抵抗運動を試みているとの発言があった。卓見であって、どうやら個に徹しているのは菅と思しき風情がある。菅にとっては与党も野党もない、要するに味方はいなくなった。従って、利用できるものはなんでも利用する。よって国会の延長も野党は断り切れなくなった。
 復興基本法案、第2次補正、3次補正予算の上程の他、電力会社の発電部門と送配電部門の分離検討を提起したと思えば、風力や太陽光など再生可能な自然エネルギーを基幹エネルギーに加える方針を表明、原発の廃炉について国が責任を持つ新法を検討するようである。菅首相を「延命学」の大家と名付けたのはみんなの党の渡辺喜美だが、それは今のところ有効である。
 菅の横紙破りは既に政治家のそれではない。戦略として西岡や小沢のそれをはるかに凌駕する。個に徹し、加えるに総理大臣である、怖いものはない。八月の頭「原爆の日」に「脱原発」を争点に解散、総選挙を打つやもしれぬ。頑固一徹、とんでもない市民活動家を抱え込んだものである。


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2011年06月18日 03:12に投稿された記事のページです。

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