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病死   一考   

 

 阪神大震災での震災関連死は九百十九人。今回も高齢者の孤独死など関連死は数千人になると思われる。四月末で震災関連の病死は五百人を超えている。感染症、生活不活発病、静脈血栓塞栓症、肺炎、高血圧など徐々に慢性疾患に移ってきた。阪神大震災では仮設住宅で孤独死した病死者の死因の三割がアルコール依存からくる肝疾患だった。
 日本の人工透析患者は約二十九万人。今回、震災の被害が著しかった岩手、宮城、福島の三県には約一万二千人の透析患者がいた。北海道の避難住宅に入居を希望する者は少ないが、岩手と宮城の透析患者は多数避難している。東北からの透析患者の移動で関東圏の病院もほぼ満床になっている。
 現地の透析治療は今なお変則的である。通常四時間の治療が三時間に短縮された病院が過半数を占める。除水を短時間にすると血圧の急な低下、頭痛や吐き気などの不均衡症候群が起こる。尿毒素が抜けきれず、カリウムの数値も高くなり、肺水腫、不整脈、心不全、さらには死に繋がる。
 余談だが、東京で震度七クラスの地震が起きればどうなるのだろうかと思う。電気と水道が破断すれば透析はできなくなる。十日も止まれば十万人ほどの患者が死ぬ。それをカバーするだけの医療設備は関西にもない。全員で天皇陛下万歳と叫んで死ぬ他ないのである。


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2011年06月09日 15:01に投稿された記事のページです。

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